清武はトップ下として香川以上の可能性を見せるかもしれない。
シンガポール戦とカンボジア戦に限らず、ここまでの日本代表はボールを保持できても攻撃の効率が悪かった。本田、香川、岡崎といったアジア屈指の攻撃的タレントを並べながら、今予選はこれまで12ゴール。同組のシリアが奪った18ゴールと比べると(シリアは1試合多く消化しているが)、6点も少ない計算だ。
ハリルホジッチ監督はシンガポール戦を睨み、「我々自身のリベンジだ」と言い切った。前回のドローを「まだ飲み込めていない」(ハリルホジッチ監督)にとっては、是が非でも相手を崩して大量得点を挙げ、トラウマを払拭したいところだろう。
そこでサイドアタックと並行して考慮したいのが、前線のリフレッシュだ。これまでの2次予選では前線のメンバーをほぼ固定して戦っているが、現状で上手く噛み合っているとは言い難い。ならば思い切って、いくつかのポジションで新顔を起用するのも一手だ。
もちろん、今まで通りの組み合わせで連係向上を突き詰めるのも大事な作業になる。しかし、今回はあくまで格下との2連戦であり、多少なりとも大胆な出方をしてもいいはずだ。
これまでハリルホジッチ監督は「TVで観るのと一緒にトレーニングするのでは違う」と手元に置いて力量を判断する重要性を説き、「人間性も見る」とピッチ外の行動も要求し、“呼んでも使わない”選手がいることを正当化した。
ただし、試合に出なければ選手の本質は測れない。別の言い方をすれば、ワールドカップ予選のような「なにが起こるか分からない」緊張感のなかでどれほどのパフォーマンスができるかは、選手の価値を大きく左右する。いわば、今回のアウェーマッチはテストの絶好機。ここで指揮官が“決め切れない”ようであれば、新戦力の台頭には今後も期待はできないのではないか。
なかでも試すべきなのは、金崎と南野、そして清武だろう。積極的なドリブルやシュートなど、個の仕掛けを得意とする金崎は前線のカンフル剤となり得る。二度続けて招集された南野には、もっと多くの時間が与えられるべきだし、ドイツでのパフォーマンスを加味すれば、清武はトップ下として香川以上の可能性を見せるかもしれない。
決して香川や本田らが不要だと言っているのではない。彼らの能力、経験は世界と戦ううえで必ずや日本のベースになる。だた、指揮官が指摘するように、本田は「試合に出られていない」し、香川、岡崎、宇佐美は「疲れてもいる」。
また、長いアジア予選にアクシデントはつきもので、彼らが負傷離脱するケースも出てくるだろう。その時に消去法的に代役を起用するのと、能動的に選手にチャンスを与えるのとでは、これから先のチーム事情を考えても雲泥の差があるはずだ。
「35人ほどのラージグループを作っている」最中だと明かした指揮官が、チームの底上げを望むのであれば、ぜひとも現状を変える“度胸”を見せてもらいたいところだ。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)
ハリルホジッチ監督はシンガポール戦を睨み、「我々自身のリベンジだ」と言い切った。前回のドローを「まだ飲み込めていない」(ハリルホジッチ監督)にとっては、是が非でも相手を崩して大量得点を挙げ、トラウマを払拭したいところだろう。
そこでサイドアタックと並行して考慮したいのが、前線のリフレッシュだ。これまでの2次予選では前線のメンバーをほぼ固定して戦っているが、現状で上手く噛み合っているとは言い難い。ならば思い切って、いくつかのポジションで新顔を起用するのも一手だ。
もちろん、今まで通りの組み合わせで連係向上を突き詰めるのも大事な作業になる。しかし、今回はあくまで格下との2連戦であり、多少なりとも大胆な出方をしてもいいはずだ。
これまでハリルホジッチ監督は「TVで観るのと一緒にトレーニングするのでは違う」と手元に置いて力量を判断する重要性を説き、「人間性も見る」とピッチ外の行動も要求し、“呼んでも使わない”選手がいることを正当化した。
ただし、試合に出なければ選手の本質は測れない。別の言い方をすれば、ワールドカップ予選のような「なにが起こるか分からない」緊張感のなかでどれほどのパフォーマンスができるかは、選手の価値を大きく左右する。いわば、今回のアウェーマッチはテストの絶好機。ここで指揮官が“決め切れない”ようであれば、新戦力の台頭には今後も期待はできないのではないか。
なかでも試すべきなのは、金崎と南野、そして清武だろう。積極的なドリブルやシュートなど、個の仕掛けを得意とする金崎は前線のカンフル剤となり得る。二度続けて招集された南野には、もっと多くの時間が与えられるべきだし、ドイツでのパフォーマンスを加味すれば、清武はトップ下として香川以上の可能性を見せるかもしれない。
決して香川や本田らが不要だと言っているのではない。彼らの能力、経験は世界と戦ううえで必ずや日本のベースになる。だた、指揮官が指摘するように、本田は「試合に出られていない」し、香川、岡崎、宇佐美は「疲れてもいる」。
また、長いアジア予選にアクシデントはつきもので、彼らが負傷離脱するケースも出てくるだろう。その時に消去法的に代役を起用するのと、能動的に選手にチャンスを与えるのとでは、これから先のチーム事情を考えても雲泥の差があるはずだ。
「35人ほどのラージグループを作っている」最中だと明かした指揮官が、チームの底上げを望むのであれば、ぜひとも現状を変える“度胸”を見せてもらいたいところだ。
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)