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ベガルタ一筋18年のキャリアに幕。仙台のバンディエラ富田晋伍、心から愛し抜いたクラブへの想い

カテゴリ:Jリーグ

小林健志

2022年12月22日

「本当に今は自分の地元のような感覚」

かつて共にプレーした菅井氏(右)と中原氏(左)がサプライズで花束を贈呈。富田(中)は大粒の涙をこぼした。写真:小林健志

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 そして何より、2011年の東日本大震災は大きく印象に残っているという。「東日本大震災でたくさんの人が苦しんでいるなかでの再開試合のフロンターレ戦、あのピッチで自分たちが見た光景は一生忘れることはありません。自分たちが何かを与える立場のはずが、たくさんのパワーをいただいてゲームができたと思います」。震災で苦しむ仙台の人たちのために、という思いが一層深まっていった。

 今後については、仙台OBの菅井直樹氏が務めているクラブの地域連携課スタッフに就任予定だ(菅井氏は来季、仙台アカデミースカウトに就任予定)。「今後は地域連携のスタッフとして、サッカーやベガルタ仙台の魅力をもっと多くの人に知ってもらうことに積極的に取り組んでいきます。そういうなかで、ベガルタ仙台を好きになってもらって、みなさんの心に引っかかるクラブになれるように自分も動いていきたいと思います」と富田は意気込みを語った。

 18年間住んだ仙台の街の好きなところを問われると「最初、練習参加させてもらった時は、雪が降っていて、まずいところに来たなと思いました」と冗談めかして語ったが、「それでもいろんな先輩にいろんなところに連れて行ってもらい、奥さんとも仙台で出会い、子どもも仙台で生まれて、地元より長く住んでいるので、本当に今は自分の地元のような感覚です」とすっかり仙台の街になじんだという。
 
「このスタジアム、ファン・サポーターの熱量は、アウェーに行った時に違いをすごく感じます。心強いチームメイトのような味方になってもらいました。このクラブでプレーできて幸せだったなと思っています」と仙台サポーターへの愛着も人一倍だった。

 最後にサプライズで、かつて共にプレーした菅井氏と、中原貴之ユースコーチから花束を贈呈されるとまた号泣。「今後は地域連携のスタッフとして魅力を発信できる存在になれればと思っていますので、よろしくお願いします」と会見場を後にした富田。あふれ出る仙台愛を今度は地域連携という舞台で存分に発揮してほしい。

取材・文●小林健志(フリーライター)

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