ピッチでもビジネスでも変わらない挑戦の姿勢

南葛SCの今後のストーリーに期待したいという國光氏、藤好氏からの言葉にGMの岩本氏は「負けても負けてもさらに強くなって最強のライバルに勝ちに行く」という小次郎イズムで戦い抜くことを誓った。写真:滝川敏之
ここまでゲームの話題に多くのスペースを割いたが、それはどれだけ新しいことに挑戦しているかを伝えたかったからだ。ゲーム業界でも先を行く試みに、専門外である南葛SCというサッカーチームが大きく関わっているという不思議。ここに驚きがある。ただ一方で、どんどん挑戦をしていくという前がかりな姿勢は南葛SCと重なる部分でもある。
國光 僕は新しいテクノロジーが出た時に、そのテクノロジーならではのエンターテイメントで世界へ挑戦するということを大切にしています。パソコンが出てきた時も、スマートフォンが出てきた時もそうだったように、そのテクノロジーでなければ実現しえない新たな楽しさを創出していく。そういう挑戦は常に必要なのです。
藤好 南葛SCに関しても同じことが言えますよね。今『キャプテン翼』のゲームを作らせてもらっていますが、例えば南葛SCを見に来るお客さんで『キャプテン翼』を嫌いな人はいないと思う。そこに私たちの作ったゲームがあり、トークンを発行している國光さんがいて、チームのGMに岩本さんがいる。それぞれが点にならずに関連性をもってつながれば、より『キャプテン翼』の世界観に浸れる南葛SCを作れるのではないでしょうか。南葛SCに関わる各社で協力して話ができれば、また新たな楽しさが生まれるという。
岩本 現状維持即ち後退。正直、経営的な部分だけでいったら、現状で安定させることもできるんです。みんな楽しくできているし、地元の方々も応援してくださいますし。無理する必要はないかもしれない。でも、目指すところはJリーグ入りであって、さらにその先のアジアを代表するチーム。そこまで考えたら、まだまだ道半ばなのに現状を変えないという選択肢はありえないわけです。
國光 新しいことに挑戦する岩本さんがGMだから、南葛SCもどんどん新しいことを取り入れている。だから面白い。J1に上がって優勝してほしい。
岩本 國光さん、J1優勝って……軽く言いすぎですよ
(苦笑)!
藤好 「J1」という言葉の使い方が軽いです(笑)。今年は非常に苦労されたのを見ましたから……。やはり難しいんですね。正直、もっとマンガ的な展開を予想してしまっていました。話題になるくらいの大型補強をして、大活躍して、ポンと昇格するような。でも、現実はまったくそんな世界観ではないというのを知って。今のリアルな南葛SCが戦っている世界観を、どんどん理解してもらいたい。やっぱり知ってもらわないと始まらないですから。そこにゲームでできることがあればどんどんやっていきたいです。
國光 たしかにいきなり「J1優勝」というと早計かもですが……単純にこれから上へ上がっていくストーリーを思うとワクワクしてきます。
岩本 本当に最後まで諦めずに挑戦する『キャプテン翼』のイズムはすごい重要で。本当は翼くんの姿勢を自分たちに置き換えたいんです。でも、翼くんは勝ち過ぎてるんで(笑)。どちらかというと日向小次郎イズムでしょうか。
國光 (笑)。
藤好 わかります。翼くん、成功率高すぎですから(笑)。
岩本 負けても負けても、さらに自分が強くなって、最強のライバルに勝ちにいく。今の南葛SCの魂の部分には小次郎の執念のイズムの方がふさわしいと思ってます。
欧州ビッグクラブのVIPルームは最高の商談の場になっていると聞く。普段はコンタクトすら難しい大企業の面々が、スタジアムでは同じチームを応援する同志として顔を合わせる。だからすぐに意気投合し、気心が知れた状態で話せるのでビジネスも進みやすい。よって高価であってもVIPルームは人気なのだとか。実際に確かめたわけではないが、あながち間違ってはいないだろうということを、今回の鼎談で感じさせられた。そして関東リーグ1部とはいえ、南葛SCが結ぶ縁はサッカーだけではなく、地域だけではなく、社会経済にまで波及しているということも。
※このシリーズ了
■プロフィール■
岩本義弘
いわもと・よしひろ/1972年生まれ。南葛SC取締役ゼネラルマネージャー。『サッカーキング』編集長、(株)フロムワン社長などを経て現職。TSUBASA代表取締役、Webメディア『REAL SPORTS』編集長などを兼務する。
國光宏尚
くにみつ・ひろなお/1974年生まれ。南葛SCが発行するトークンを取り扱う株式会社フィナンシェの代表取締役CEOにして株式会社Thirdverse代表取締役CEOを兼務する。
藤好俊
ふじよし・しゅん/1978年生まれ。KLab株式会社執行役員。2012年より現職。
KLabGamesの開発するタイトル全てにおいてエグゼクティブプロデューサーを務める。
また、2022年より子会社株式会社BLOCKSMITH&Co.取締役に就任。代表作『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』 ほか。
取材・文●伊藤 亮
國光 僕は新しいテクノロジーが出た時に、そのテクノロジーならではのエンターテイメントで世界へ挑戦するということを大切にしています。パソコンが出てきた時も、スマートフォンが出てきた時もそうだったように、そのテクノロジーでなければ実現しえない新たな楽しさを創出していく。そういう挑戦は常に必要なのです。
藤好 南葛SCに関しても同じことが言えますよね。今『キャプテン翼』のゲームを作らせてもらっていますが、例えば南葛SCを見に来るお客さんで『キャプテン翼』を嫌いな人はいないと思う。そこに私たちの作ったゲームがあり、トークンを発行している國光さんがいて、チームのGMに岩本さんがいる。それぞれが点にならずに関連性をもってつながれば、より『キャプテン翼』の世界観に浸れる南葛SCを作れるのではないでしょうか。南葛SCに関わる各社で協力して話ができれば、また新たな楽しさが生まれるという。
岩本 現状維持即ち後退。正直、経営的な部分だけでいったら、現状で安定させることもできるんです。みんな楽しくできているし、地元の方々も応援してくださいますし。無理する必要はないかもしれない。でも、目指すところはJリーグ入りであって、さらにその先のアジアを代表するチーム。そこまで考えたら、まだまだ道半ばなのに現状を変えないという選択肢はありえないわけです。
國光 新しいことに挑戦する岩本さんがGMだから、南葛SCもどんどん新しいことを取り入れている。だから面白い。J1に上がって優勝してほしい。
岩本 國光さん、J1優勝って……軽く言いすぎですよ
(苦笑)!
藤好 「J1」という言葉の使い方が軽いです(笑)。今年は非常に苦労されたのを見ましたから……。やはり難しいんですね。正直、もっとマンガ的な展開を予想してしまっていました。話題になるくらいの大型補強をして、大活躍して、ポンと昇格するような。でも、現実はまったくそんな世界観ではないというのを知って。今のリアルな南葛SCが戦っている世界観を、どんどん理解してもらいたい。やっぱり知ってもらわないと始まらないですから。そこにゲームでできることがあればどんどんやっていきたいです。
國光 たしかにいきなり「J1優勝」というと早計かもですが……単純にこれから上へ上がっていくストーリーを思うとワクワクしてきます。
岩本 本当に最後まで諦めずに挑戦する『キャプテン翼』のイズムはすごい重要で。本当は翼くんの姿勢を自分たちに置き換えたいんです。でも、翼くんは勝ち過ぎてるんで(笑)。どちらかというと日向小次郎イズムでしょうか。
國光 (笑)。
藤好 わかります。翼くん、成功率高すぎですから(笑)。
岩本 負けても負けても、さらに自分が強くなって、最強のライバルに勝ちにいく。今の南葛SCの魂の部分には小次郎の執念のイズムの方がふさわしいと思ってます。
欧州ビッグクラブのVIPルームは最高の商談の場になっていると聞く。普段はコンタクトすら難しい大企業の面々が、スタジアムでは同じチームを応援する同志として顔を合わせる。だからすぐに意気投合し、気心が知れた状態で話せるのでビジネスも進みやすい。よって高価であってもVIPルームは人気なのだとか。実際に確かめたわけではないが、あながち間違ってはいないだろうということを、今回の鼎談で感じさせられた。そして関東リーグ1部とはいえ、南葛SCが結ぶ縁はサッカーだけではなく、地域だけではなく、社会経済にまで波及しているということも。
※このシリーズ了
■プロフィール■
岩本義弘
いわもと・よしひろ/1972年生まれ。南葛SC取締役ゼネラルマネージャー。『サッカーキング』編集長、(株)フロムワン社長などを経て現職。TSUBASA代表取締役、Webメディア『REAL SPORTS』編集長などを兼務する。
國光宏尚
くにみつ・ひろなお/1974年生まれ。南葛SCが発行するトークンを取り扱う株式会社フィナンシェの代表取締役CEOにして株式会社Thirdverse代表取締役CEOを兼務する。
藤好俊
ふじよし・しゅん/1978年生まれ。KLab株式会社執行役員。2012年より現職。
KLabGamesの開発するタイトル全てにおいてエグゼクティブプロデューサーを務める。
また、2022年より子会社株式会社BLOCKSMITH&Co.取締役に就任。代表作『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』 ほか。
取材・文●伊藤 亮