後半は全体的に重心が後ろになっていた
ここでクロアチアが上手かったのは、ロヴレンからの選択肢をいくつか日本に意識させたこと。
1つは、右ウイングのアンドレイ・クラマリッチの動きだ。彼は谷口の手前にいたが、ロヴレンにボールが渡ったところで中盤に引く動きをして谷口にそこを意識させた。さらに193センチのセンターフォワードであるブルーノ・ペトコビッチが第一のターゲットとして吉田と冨安の間にポジションを取ったのだ。
ボールはペトコビッチを目がけて蹴られたかにも思われたが、左に曲がってさらに外側で待っていたペリシッチと伊東のところに飛んだ。ここで伊東が完全に身体を合わせて、11センチの身長差で負けてしまったのなら仕方ないが、それよりもペリシッチに先にインを取られたことで、まともに飛んで競り合うこともできなかった。そのためペリシッチは勢いを持って、強いヘディングシュートを放つことができた。
これが長友のサイドであれば、高さが足りなくても身体をぶつけて邪魔をすることはできたかもしれない。いずれにせよ、クロアチアはそうした高さのミスマッチが起きる場所も分析に入れて、狙いを持った攻撃をしていた。
理想を言えば、リードを奪った後に伊東、あるいは1つ前の堂安律を下げて、酒井宏樹を後半から投入というのが守備面だけを見たら安全策ではあった。
1つは、右ウイングのアンドレイ・クラマリッチの動きだ。彼は谷口の手前にいたが、ロヴレンにボールが渡ったところで中盤に引く動きをして谷口にそこを意識させた。さらに193センチのセンターフォワードであるブルーノ・ペトコビッチが第一のターゲットとして吉田と冨安の間にポジションを取ったのだ。
ボールはペトコビッチを目がけて蹴られたかにも思われたが、左に曲がってさらに外側で待っていたペリシッチと伊東のところに飛んだ。ここで伊東が完全に身体を合わせて、11センチの身長差で負けてしまったのなら仕方ないが、それよりもペリシッチに先にインを取られたことで、まともに飛んで競り合うこともできなかった。そのためペリシッチは勢いを持って、強いヘディングシュートを放つことができた。
これが長友のサイドであれば、高さが足りなくても身体をぶつけて邪魔をすることはできたかもしれない。いずれにせよ、クロアチアはそうした高さのミスマッチが起きる場所も分析に入れて、狙いを持った攻撃をしていた。
理想を言えば、リードを奪った後に伊東、あるいは1つ前の堂安律を下げて、酒井宏樹を後半から投入というのが守備面だけを見たら安全策ではあった。
ただ、怪我明けの酒井を起用する判断や、伊東、堂安を右に揃えている攻撃のメリットなど、いろんな材料があるので、この失点シーンを持ってシンプルに森保一監督の采配を批判するのもフェアではないかもしれない。
とはいえ、こうした相手のウィークを逃さずに突いてくるのが、ノックアウトステージで上を狙うチームであり、前回準優勝のクロアチアは特にそうしたディテールまで踏み込んで勝機を逃さないチームだけに、1つ象徴的に出てしまった。
こうした失点シーンが起きる背景としては、前半の終わりに1点リードした日本が、後半は全体的に重心が後ろになっていたこともある。
長友が試合前から勝負のポイントをイタリア語で「コラージョ(勇気)」としていたが、一発勝負が続いていくトーナメントの場で、チャレンジする側でしかなかったドイツ戦やスペイン戦の後半に見られた「コラージョ」を欠いていたことが象徴的に表われたとも言える。
取材・文●河治良幸
【動画】クロアチア戦の失点シーン。放物線を描く芸術的なクロスにペリシッチが強烈なヘディング
【W杯PHOTO】現地カタールで日本代表を応援する麗しき「美女サポーター」たちを一挙紹介!
とはいえ、こうした相手のウィークを逃さずに突いてくるのが、ノックアウトステージで上を狙うチームであり、前回準優勝のクロアチアは特にそうしたディテールまで踏み込んで勝機を逃さないチームだけに、1つ象徴的に出てしまった。
こうした失点シーンが起きる背景としては、前半の終わりに1点リードした日本が、後半は全体的に重心が後ろになっていたこともある。
長友が試合前から勝負のポイントをイタリア語で「コラージョ(勇気)」としていたが、一発勝負が続いていくトーナメントの場で、チャレンジする側でしかなかったドイツ戦やスペイン戦の後半に見られた「コラージョ」を欠いていたことが象徴的に表われたとも言える。
取材・文●河治良幸
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