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大成の条件――欧州で名を上げた中田、中村、本田…。才能では劣らない柿谷がいまだ輝けない理由とはなにか?

カテゴリ:日本代表

加部 究

2015年10月31日

鉄則どおりの移籍でも柿谷は輝きを放てず…。小野や中村との違いとはなにか?

セルティックで王様になった中村や、フェイエノールトで大活躍した小野と同じルートを辿ったはずの柿谷だが……。“受け手”として実力を十分に発揮できていないのが現状だ。(C) Getty Images

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 一方、スキルの高さが必ずしも成功を保証するとは限らないのも、この世界の特徴だ。
 
 柿谷が注目されたのは、スキルやファンタジーが比類ないレベルだったからだ。セレ女(C大阪の女性サポーターの呼称)に限らず、多くのサッカー小僧も胸をときめかせた。また過去の例に照らしても、移籍先の選択も理想的だった。小野伸二は当時オランダ三強の一角だったフェイエノールトのユニホームに袖を通し、瞬く間に圧倒的なスキルで信頼を集め、UEFAカップを手にした。
 
 さらに中村俊輔も、スコットランドの二大クラブのひとつ、セルティックで思うぞんぶん感嘆を引き出した。やはりパワーよりファンタジーを売るなら、強いチームで周りを輝かせて、自分も輝くのが鉄則だ。
 
 小野がエンジェルパスを提供した相手は、若き日のロビン・ファン・ペルシやデンマーク代表のエース、ヨン=ダール・トマソンたちだった。逆にボーフムやエスパニョールに移籍してからの小野や中村俊を見ても、中堅以下のクラブで輝くのが難しいことが良くわかる。
 
 その点で柿谷は鉄則どおりの移籍をした。スイスでバーゼルは群を抜く存在で、チャンピオンズ・リーグへの出場もほぼ確約されている。そんなバーゼルでも、柿谷のスキルはチームメイトを驚かせるレベルにあったという。ところが、〝鉄板〞は外れた。
 
 パウロ・ソウザ前監督の信頼を得られず、ウルス・フィッシャーへの監督交代に望みを託して残留した柿谷だが、今のところ序列は変わらない。小野や中村と違いがあるとすれば、それは柿谷がパスの受け手として最前線でプレーしている点だ。
 
 レジェンドのふたりは強豪クラブでボールを引き寄せ、プレー機会が増えるメリットを享受したが、柿谷の場合は攻撃の機会が多くても、相手ゴール前の人口密度が障害になってしまっているのかもしれない。
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