藤枝は初のJ2でも超攻撃的スタイルを貫き通す
そして、最も未知数だが、最も楽しみがふくらむ新興勢力が、藤枝だ。
昨年夏に就任してから着実に超攻撃的サッカーを育て上げてきた須藤大輔監督が目ざすのは「究極のエンターテイメントサッカー」。正確にパスをつなぎながらボールを支配し、連動した動きとパスでアタッキングサードを攻略して、1点や2点では満足せず。3点、4点、5点とゴールを積み重ねていく。
ボールを失った後のハイプレスによる「即時奪回」も身上で、それによってほぼ相手陣内で試合を進めるハーフコートゲームを理想としている。
今季のJ3では、1試合平均得点が1.71、1試合平均失点が0.85(どちらも優勝した、いわきFCに次ぐ2位)。内容も「非常に面白いサッカー」と県内外から高く評価されている。
須藤監督はJ2でも超攻撃的スタイルを貫き通すことを明言しており、「J2のほうが前から激しく(プレスに)来るチームが少なく、やりやすいんじゃないかと感じています」と語る。このサッカーで本当にJ2でも旋風を巻き起こせるのか。
今季のJ2では、藤枝のスタイルと近い面のあるロアッソ熊本が、J2昇格1年目ながらJ1参入プレーオフ決定戦まで進むという躍進を見せた。藤枝もその再現を目論んでいる。
以上を踏まえて静岡ダービーについて考えると、最もモチベーションが高いのは、偉大な先輩クラブたちと初めて同リーグで戦う藤枝だろう。自分たちの攻撃サッカーを貫いて清水や磐田を倒すことができれば、まさに下剋上。すでに「ダービーが本当に楽しみ」と言っている選手は多い。
昨年夏に就任してから着実に超攻撃的サッカーを育て上げてきた須藤大輔監督が目ざすのは「究極のエンターテイメントサッカー」。正確にパスをつなぎながらボールを支配し、連動した動きとパスでアタッキングサードを攻略して、1点や2点では満足せず。3点、4点、5点とゴールを積み重ねていく。
ボールを失った後のハイプレスによる「即時奪回」も身上で、それによってほぼ相手陣内で試合を進めるハーフコートゲームを理想としている。
今季のJ3では、1試合平均得点が1.71、1試合平均失点が0.85(どちらも優勝した、いわきFCに次ぐ2位)。内容も「非常に面白いサッカー」と県内外から高く評価されている。
須藤監督はJ2でも超攻撃的スタイルを貫き通すことを明言しており、「J2のほうが前から激しく(プレスに)来るチームが少なく、やりやすいんじゃないかと感じています」と語る。このサッカーで本当にJ2でも旋風を巻き起こせるのか。
今季のJ2では、藤枝のスタイルと近い面のあるロアッソ熊本が、J2昇格1年目ながらJ1参入プレーオフ決定戦まで進むという躍進を見せた。藤枝もその再現を目論んでいる。
以上を踏まえて静岡ダービーについて考えると、最もモチベーションが高いのは、偉大な先輩クラブたちと初めて同リーグで戦う藤枝だろう。自分たちの攻撃サッカーを貫いて清水や磐田を倒すことができれば、まさに下剋上。すでに「ダービーが本当に楽しみ」と言っている選手は多い。
当然、清水にも磐田にも、藤枝には絶対に負けられないというプライドがある。会社としての経営規模にも選手の年俸総額にも大きな差がある。そうした地力の差を先輩クラブが見せつけられるのか、失うもののない藤枝の果敢な挑戦が結果につながるのか。
地域性という意味でも、とくに清水と藤枝は、サッカーに関するライバル意識が昔から非常に強かった。どちらもサッカー王国を築き上げるうえで大きな役割を果たしてきた街だけに、住民に根付くプライドは高い。サポーター同士のバチバチ感も相当強烈になることだろう。
もちろん、清水と磐田の伝統的な静岡ダービーは、1999年のチャンピオンシップも含めて常に熱い戦いを繰り広げてきた。J2で対戦するのは初めてだが、負けたくないという気持ちが弱まることはない。
また、県内4つめのJクラブ=アスルクラロ沼津は、来年もJ3が舞台となるが、その指揮官として静岡サッカーのレジェンド・中山雅史氏を起用。こちらも注目度は俄然高まるはずだ。
テレビ、新聞、ラジオ等でサッカーを取り上げる機会が、他地域よりも異例に多い静岡県。県外から来た選手は、まずそれに驚くことが多い。その意味でも、来季は露出が減るどころか、逆に増える可能性が大いにある。
J2での三つ巴の切磋琢磨が各チームのレベルアップにつながり、静岡のサッカー熱に再び火をつけていく。そうした好循環を巻き起こすことができれば、2022年の失望が、未来への希望につながっていくことだろう。
取材・文●前島芳雄(スポーツライター)
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地域性という意味でも、とくに清水と藤枝は、サッカーに関するライバル意識が昔から非常に強かった。どちらもサッカー王国を築き上げるうえで大きな役割を果たしてきた街だけに、住民に根付くプライドは高い。サポーター同士のバチバチ感も相当強烈になることだろう。
もちろん、清水と磐田の伝統的な静岡ダービーは、1999年のチャンピオンシップも含めて常に熱い戦いを繰り広げてきた。J2で対戦するのは初めてだが、負けたくないという気持ちが弱まることはない。
また、県内4つめのJクラブ=アスルクラロ沼津は、来年もJ3が舞台となるが、その指揮官として静岡サッカーのレジェンド・中山雅史氏を起用。こちらも注目度は俄然高まるはずだ。
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J2での三つ巴の切磋琢磨が各チームのレベルアップにつながり、静岡のサッカー熱に再び火をつけていく。そうした好循環を巻き起こすことができれば、2022年の失望が、未来への希望につながっていくことだろう。
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