【日本代表ボランチの系譜】柱谷哲二から遠藤保仁まで。変移する“ハンドル”の理想形は「遠藤+今野」の資質を持つ人材?

カテゴリ:日本代表

加部 究

2015年10月23日

ボランチとして最も国際基準に肉薄したのは稲本潤一。

国際舞台でもその卓越したフィジカル能力と攻撃センスで堂々たるプレーを披露した稲本。日韓ワールドカップでは一躍脚光を浴びた。(C) Getty Images

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 さらにドーハの悲劇(93年アメリカ・ワールドカップ最終予選)で散ったハンス・オフト時代の日本代表では、森保一が大黒柱のラモス瑠偉を影のように支える献身ぶりで評価を高めた。身体を張ってボールを拾い、ラモスに預ける地道な仕事ぶりからは、現在の毅然たる陣頭指揮を想像するのは難しかった。
 
 そして98年には、初出場のフランス・ワールドカップを山口素弘、名波浩のコンビで戦うわけだが、どちらも本来の資質は攻撃に傾いていた。
 
 山口は97年同アジア予選、国立での対韓国戦のゴールセンスがそれを物語っているし、一貫してトップ下に君臨してきた名波は言うまでもない。天性の創造性を持つ名波は、磐田入団後にオフト監督の指示で守備を鍛えられ、ボランチとしてヴェネツィアに渡るのだが、イタリアでは再度トップ下へと戻されている。
 
 概して攻撃的資質が先に開花するので「守備はプロに入ってからでも間に合う」というのが名波の見解だが、一方で「もしオレに服部年宏の守備力があったら、少なくとも3年間は欧州でやれた」とも述懐している。
 
 その点で歴史的にもボランチとして最も国際基準に肉薄したのが、稲本潤一だろう。コンタクトに強い身体的な資質に加え、技術も高く視野も広かった。相手を潰すだけではなく攻撃力も出色で、02年日韓ワールドカップではボランチながら2ゴールを記録。フルハム時代にはトップ下としてプレーし、インタートトカップのボローニャ戦ではハットトリックを達成した。
 
 思えば守備的資質が高く、ピンチを防ぐためにはファウルも辞さない強靭なメンタリティを持つ戸田和幸と稲本が組んだフィリップ・トルシエ時代の日本代表は、最も良好なバランスを保っていた。ふたりとも水準以上の守備力と意識を備え、戸田のカバーリングが担保されているから稲本も思い切って攻撃に出ていくことができた。

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