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柏の光と影の全てを見てきた大谷秀和。「ミスター・レイソル」と呼ぶに相応しい“やりきった”キャリアを振り返る

カテゴリ:Jリーグ

鈴木潤

2022年11月06日

誰もが認めるキャプテンだった

23歳の若さでキャプテンに就任。選手として、また人間としても大きく成長した。(C)SOCCER DIGEST

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 現在はトップチームのコーチを務め、現役時代には大谷とダブルボランチを組んだ栗澤僚一は、大谷の特長と凄みを次のように語っている。

「危ないところにいたりとか、そこにいてくれないと困るという時にいてくれる。特別足が速いとか、身体もそこまで大きいわけではないけど、気が利くというんですかね。だからどの監督も彼を試合で使いたいと思うし、彼がいれば試合運びが上手くいく。彼の存在がいかに重要かというのは、一緒にプレーした選手が一番感じる部分です」

 そんな大谷のプレーを語るうえで印象深い試合がある。2011年J1リーグ32節の清水戦だ。リーグ終盤戦、首位に立つ柏は、名古屋、G大阪と壮絶な優勝争いを繰り広げていた。

 1−1で迎えた試合終盤、大谷はライバルチームとの勝点差を考え、仮に引き分けで終わったとしても自分たちの首位は変わらない。むしろ勝ち急ぐあまり前がかりになることで失点を許し、首位の座からの陥落は絶対に避けなければならないとして、周囲の選手にリスク管理を徹底させた。

 最終的に柏は85分のレアンドロ・ドミンゲスの得点によって逆転勝利を収めるのだが、大谷の見事なコントロールもあってチームは攻守のバランスを失わず、安定した試合運びを続けた末に手にした勝利でもあった。この1勝で、柏はJ1初優勝に王手をかけた。
 
 そして大谷は、誰もが認めるキャプテンだった。引退セレモニーで流れた映像でも、「偉大なキャプテンとしてプレーしていた姿を一生忘れない」(明神)、「僕にとっては永遠のキャプテン」(大津祐樹)、「僕の中でベストキャプテン」(山中亮輔)と、先輩・後輩からメッセージが届いた。

 2008年、当時の石﨑信弘監督に促される形で、大谷は23歳の若さでキャプテンに就任した。チームを代表して腕章を巻くことの重みは、選手としてのみならず、人間としても彼の成長を大きく促進させた。

「当時いた自分より上の人たち、特に南(雄太)さん、キタジさん(北嶋秀朗)にはすごくお世話になって、いろいろな話を聞いてもらって、そういう人たちの支えがあったからキャプテンができていたと思います。ただ、イシさん(石﨑監督)から責任のある立場を与えられたからこそ、周囲を気にかけたり、目を配る部分も出てきたので、キャプテンという立場を与えられて良かったと思います」(大谷)

 プロ入りから数年は、茶髪にパーマ、あるいはやや長めに髪を伸ばすといった年相応の若者らしい風貌だったが、キャプテン就任以降はチームの代表として公式の場に出ることが増えたため、短髪黒髪に変えた。
 
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