「カマダは攻撃のタイミングがいい」ボランチでゴール量産、指揮官も賞賛する鎌田大地。CL16強入りにチームの成長を語る「ハセさんが出たときに比べたら足りない。でも…」【現地発】
カテゴリ:ワールド
2022年11月05日
「本当に素晴らしい仕事をしたと思います」(鎌田)
チームとして試合を重ねるごとに成熟していくためには、その時々で取り組むべきテーマが明確でなければならない。フランクフルトにしても序盤からうまくいっているわけではない。4バックは思ったように機能せず、メンバーを大幅に入れ替えて迎えた最下位ボーフム戦は完敗に終わった。
「選手、チームの成長を正しく見ていかなければならない。ボーフム戦では失点後に我々はあきらめてしまった。自分たちのサッカーをやめてしまった。シーズンを通してテーマと取り組むことが大事なのだ。どんな時でも自分たちのプレーのやり方を見失ってはいけない。全てが大切なプロセスだ。そこに取り組まなければならない。難しい時になにができるかが求められる。チャンピオンズリーグのトッテナム戦では数的不利になりながらも、あきらめずに戦い、1点差に迫ることもできた。大事なのは自分たちを信じること、アイデアを持つこと、味方を信じること。相手が狙っているところを知り、自分達が狙いところを生かすことだ」
そう語るグラスナー監督によるチーム掌握も見事だ。出場機会が少ない選手への心配りも忘れない。レバークーゼン戦で5点目を決めたのは途中出場のルーカス・アラリオ。このシーンについてグラスナーはアラリオだけではなく、アシストをしたラファエル・ボレを記者会見で絶賛していた。
「一番美しかったのは最後のルーカス(アラリオ)のゴールシーンだ。ゴール前でボールを受けたボレは自分でもゴールを狙えた。今シーズンこれまで出場時間は決して多くはない。フォワードとしてなにがなんでもゴールを決めたいはず。だが、ボレは味方のためにパスを出してゴールを演出した。素晴らしいことだ」
「選手、チームの成長を正しく見ていかなければならない。ボーフム戦では失点後に我々はあきらめてしまった。自分たちのサッカーをやめてしまった。シーズンを通してテーマと取り組むことが大事なのだ。どんな時でも自分たちのプレーのやり方を見失ってはいけない。全てが大切なプロセスだ。そこに取り組まなければならない。難しい時になにができるかが求められる。チャンピオンズリーグのトッテナム戦では数的不利になりながらも、あきらめずに戦い、1点差に迫ることもできた。大事なのは自分たちを信じること、アイデアを持つこと、味方を信じること。相手が狙っているところを知り、自分達が狙いところを生かすことだ」
そう語るグラスナー監督によるチーム掌握も見事だ。出場機会が少ない選手への心配りも忘れない。レバークーゼン戦で5点目を決めたのは途中出場のルーカス・アラリオ。このシーンについてグラスナーはアラリオだけではなく、アシストをしたラファエル・ボレを記者会見で絶賛していた。
「一番美しかったのは最後のルーカス(アラリオ)のゴールシーンだ。ゴール前でボールを受けたボレは自分でもゴールを狙えた。今シーズンこれまで出場時間は決して多くはない。フォワードとしてなにがなんでもゴールを決めたいはず。だが、ボレは味方のためにパスを出してゴールを演出した。素晴らしいことだ」
選手はだれでも試合に出たい。どの試合でもフルで出たい。どの試合でも活躍したい。自分が納得のいくパフォーマンスを出したい。チームプレーについて常に試合に出ている選手に求めるのはわかる。だが試合にも出ていないのに、チームのためにプレーしろといわれて納得するのは簡単ではない。それでもボレは自分のゴールよりもアラリオへのパスを選んだ。
チームの中で自分は大事にされているのか。自分はチームにとって役に立つ存在なのか。プロフェッショナルな心構えを強要するだけではなく、そんな葛藤と戦う選手の気持ちに寄り添っていくことで、チャンスが来た時に確かなパフォーマンスを発揮することができるのだと導いていく。
そうしたプロセスがあるからこそ、主力選手が負傷や出場停止で離脱しても、チーム力を落とすことなく戦えるのだ。CLマルセイユ戦では3バックのセンターに初スタメンとなるフルボジェ・スモルチッチ、右には本職ボランチのクリスティアン・ヤキッチを起用。苦しい状況もあったが相手の得点を1点に抑え、鎌田とランダル・コロ・ミュアニが挙げた2点を守って大事な勝利を挙げた。鎌田もそんな守備陣の奮闘を認めていた。
「やっぱりハセさんが出たときと比べたらボール取った後の繋ぎの部分だったり、ビルドアップの部分で足らないかなとは思いますけど、今日は本当に素晴らしい仕事をしたと思います」
褒めるだけではなく課題もスッと口にするのは鎌田らしいし、そうしたやり取りがチーム内でできるような空気感があることの証でもあるのだろう。
昨シーズン、ヨーロッパリーグの旅は最終到着地で輝くトルフィーをかかげたフランクフルト。今季の旅の行く末はどうなるのだろう。楽しみは続く。
取材・文●中野吉之伴
チームの中で自分は大事にされているのか。自分はチームにとって役に立つ存在なのか。プロフェッショナルな心構えを強要するだけではなく、そんな葛藤と戦う選手の気持ちに寄り添っていくことで、チャンスが来た時に確かなパフォーマンスを発揮することができるのだと導いていく。
そうしたプロセスがあるからこそ、主力選手が負傷や出場停止で離脱しても、チーム力を落とすことなく戦えるのだ。CLマルセイユ戦では3バックのセンターに初スタメンとなるフルボジェ・スモルチッチ、右には本職ボランチのクリスティアン・ヤキッチを起用。苦しい状況もあったが相手の得点を1点に抑え、鎌田とランダル・コロ・ミュアニが挙げた2点を守って大事な勝利を挙げた。鎌田もそんな守備陣の奮闘を認めていた。
「やっぱりハセさんが出たときと比べたらボール取った後の繋ぎの部分だったり、ビルドアップの部分で足らないかなとは思いますけど、今日は本当に素晴らしい仕事をしたと思います」
褒めるだけではなく課題もスッと口にするのは鎌田らしいし、そうしたやり取りがチーム内でできるような空気感があることの証でもあるのだろう。
昨シーズン、ヨーロッパリーグの旅は最終到着地で輝くトルフィーをかかげたフランクフルト。今季の旅の行く末はどうなるのだろう。楽しみは続く。
取材・文●中野吉之伴