【今だから言える15年夏の超極秘話⑥】ソリアーノとデ・ヘアの移籍が土壇場で流れた理由

カテゴリ:ワールド

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2015年10月09日

メンデスはデ・ヘア移籍に失敗したが、マルシアルの高額取り引きをまとめて面子を保った。

デ・ヘアは9月11日にユナイテッドとの契約を2019年まで延長。フリーエージェントになる来夏に移籍金ゼロで獲得できると踏んでいたマドリーにとっては、目論見が外れたことになる。(C)Getty Images

画像を見る

 デ・ヘアとナバスの交換トレードは、どちらの代理人でもないが、マドリー&ユナイテッドと非常に密接な関係にあるジョルジュ・メンデス(クリスチアーノ・ロナウドやジョゼ・モウリーニョを顧客に抱える業界随一の敏腕エージェント)が主導したものだ。
 
 メンデスは、ボーナス込みで最大8000万ユーロ(約112億円)もの巨額がモナコに転がり込むアントニー・マルシアルの移籍にもかかわっており、メルカート最終盤におけるユナイテッド絡みの案件の黒幕だった。
 
 おそらくメンデスは、デ・ヘアを放出すればユナイテッド側のマスコミやサポーターの反発が強まると見越して、それを緩和するためにナバス、さらにはマルシアルを引っ張ってこようと考えたのだろう。
 
 それがナバスとの交換を巡る交渉が予想以上に長引いたため、シナリオが完全に崩れてしまったのだ。
 
 とはいえ、弱冠19歳のマルシアルの取り引きで超高額を動かしたその手腕は、さすがメンデスと言うべきだろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※ワールドサッカーダイジェスト2015.10.15号より加筆・修正
 
【今だから言える15年夏の超極秘話①】ポグバ移籍は実現の可能性が十分にあった! 
 
【今だから言える15年夏の超極秘話②】補強失敗を受けてモウリーニョとアブラモビッチの間にヒビが?
 
【今だから言える15年夏の超極秘話③】ユーベがシケイラを捨ててA・サンドロを獲った舞台裏
 
【今だから言える15年夏の超極秘話④】なぜ、ユーベはドラクスラーを獲り逃がしたのか?
 
【今だから言える15年夏の超極秘話⑤】経緯も契約内容も前代未聞だったバロテッリのミラン復帰劇
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO / SKY ITALIA
ジャンルカ・ディ・マルツィオ
1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。父は70~90年代にナポリ、ジェノア、レッチェなどで監督を歴任し、現在はTVコメンテーターのジャンニ・ディ・マルツィオ。選手としては才能に恵まれず、ジャーナリストを志し、パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタート。04年から『スカイ・イタリア』に所属する。父を通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、13年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
【関連記事】
【今だから言える15年夏の超極秘話①】ポグバ移籍は実現の可能性が十分にあった!
【今だから言える15年夏の超極秘話②】補強失敗を受けてモウリーニョとアブラモビッチの間にヒビが?
【今だから言える15年夏の超極秘話③】ユーベがシケイラを捨ててA・サンドロを獲った舞台裏
【今だから言える15年夏の超極秘話④】なぜ、ユーベはドラクスラーを獲り逃がしたのか?
【今だから言える15年夏の超極秘話⑤】経緯も契約内容も前代未聞だったバロテッリのミラン復帰劇

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ