• トップ
  • ニュース一覧
  • 全開プレス→成功→相手が修正→我慢→ロングカウンター。勝利の方程式が見事にはまったアメリカ戦。課題は試合中のプレス修正

全開プレス→成功→相手が修正→我慢→ロングカウンター。勝利の方程式が見事にはまったアメリカ戦。課題は試合中のプレス修正

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2022年09月24日

後半は我慢した後にロングカウンターに切り替え追加点

68分に三笘(右)と堂安(左)を投入。ロングカウンター狙いに切り替えた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 一方、懸念があるとすれば後半だ。アメリカがビルドアップを修正し、3枚回し+ダブルボランチで枚数を増やすと、日本のプレッシングがはまらなくなった。

 2トップでは幅を取った最終ラインの3枚を追いきれないので、日本はサイドハーフ、主に伊東が前へ出て、プレスの枚数をかみ合わせた。しかし、瞬間的に相手の1枚がフリーになることが多いため、ダブルボランチを経由されたり、あるいはダブルボランチを抑えるために守田英正と遠藤航が動けば、そのすき間へ縦パスを通されたりした。後半は日本のプレッシングよりも、アメリカのビルドアップのほうが優勢だった。

 もっとも、それによって日本の最終ラインがダイレクトに崩されたわけではない。日本はプレスがはまらなければ自陣に下がり、丁寧に攻撃を跳ね返した。

 そうやってしばらく我慢した後、68分に三笘薫と堂安律を投入。ハイプレスをはめる戦略から、自陣に相手を引き込んでロングカウンターを仕掛ける戦略に切り替えた。三笘と堂安、両翼の力を生かし、空いた敵陣のスペースを食らう。

 86分には鎌田に代えて原口元気を投入し、[5-4-1]でさらにロングカウンター戦略を徹底した。すると88分、三笘が鋭いドリブルから試合を決定付けるゴールを挙げ、2-0。日本は勝利をつかみ取った。

 全開プレス→成功→相手が修正→我慢→ロングカウンター。森保ジャパンにとっては、勝利の方程式と言ってもいい。アメリカ戦では見事にはまった。
 
 ただし、これほどうまく運べる試合ばかりとは限らない。懸念があるとすれば、時間帯だ。今回はアメリカの修正が遅く、ハーフタイムまで守備がずっとはまっていたが、本番ならば、前半のうちにサッと割り切って修正されたかもしれない。その結果、良い時間帯が減り、「我慢」が想定以上に長くなるリスクはある。

 もちろん、最初からプレスがはまらないケースもあり得る。アメリカ戦ではうまく先制できたこと、すでに後半だったことを含め、再度プレスをはめようと思い切ったチャレンジは行なわれなかったが、プレス修正は練度を高めたいところだ。

 相手が3枚回し+ダブルボランチなら、鎌田を一列下げてインサイドハーフ化し、1トップ+両翼で4-3-3気味にプレスに行くほうが、はまりやすい。あまり多くの全体パターンは必要ないが、前半のように2トップをスイッチに中から外へ追い出すプレッシングに加えて、両翼をスイッチに外から中へ追い込むプレッシングの2種類は備え、試合中に使い分けられるといい。

 ワールドカップの対戦国であるドイツ、コスタリカ、スペインは、このアメリカ戦を分析してくることが前提だ。日本が機能した部分を、相手は避けるか潰そうかと考えるし、逆にこの試合で日本が機能しなかったところを、突こうと考える。

 日本のコンセプトを踏まえれば、試合中のプレス修正は最優先の課題だろう。次のエクアドル戦でどこまで見られるか。

文●清水英斗(サッカーライター)

【動画】鋭いドリブルから試合を決定付けた三笘薫のゴラッソをチェック!

【PHOTO】鎌田&三笘がゴール! 日本vsアメリカ戦の激闘を厳選フォトでお届け!

【PHOTO】どこもかしこもデザイン刷新! カタールW杯・出場国の「本大会用ユニホーム」を一挙公開

【PHOTO】デュッセルドルフ・アレーナに集結した日本代表サポーターを特集!

 
【関連記事】
「日本のキットはクリーンだ」新ユニに米国の大手メディアが反応!世界中で反響「いつも最高」「背番号がピカチュウみたい」
「日本は強すぎる!」FIFAランク14位のアメリカを撃破した森保Jに中国メディアは衝撃!「世界一流のレベルに近づいている」
【日本2-0アメリカ|採点&寸評】鎌田、三笘ら役者がそれぞれ存在感。中でも中盤で輝きを放ったのは…
「セレソン史上最高の連係だ」ブラジル代表が1分13秒間、25本のパスを繋いで奪ったゴラッソが反響!「世界一遅いティキ・タカ」
「大人と少年の闘いだった」日本戦完敗のアメリカ代表に米記者陣から怒号続出!「日本の組織力は圧巻」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト いざアジア王者へ!
    5月10日発売
    悲願のACL初制覇へ
    横浜F・マリノス
    充実企画で
    強さの秘密を徹底解剖
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ