内山監督が目指すのは経験値に基づいた「大人のサッカー」。
「頭では分かっていたし、周りにも伝えていたけど、いざ本番になると、自分も含めてみんな動けていなかった。それぞれが自分のプレー自体がうまくいかなくて、ボールも動かなくてイライラしていた。そういう時にこそ僕が引っ張って行かないといけないのに、まだまだだと痛感した」
こう語ったのは、前回のミャンマーでのU-19アジア選手権を経験しているMF坂井大将。チームのなかでも経験値が高い彼ですら、平常心を失った。格下が相手とはいえ、本番の戦い、初戦の難しさを彼らは肌で感じ取ることができた。そして、そこで結果を出すことの重要性も、である。
メンバー総入れ替えで臨んだフィリピン戦は、ほとんどの選手が初戦となったことで、やはり前半は組織として停滞した。グループで一番の格下チームだったがゆえに、最終的には6-0というスコアとなったが、ここでもアジアの難しさを経験した。
そして、最終戦のオーストラリア戦。当初の予想通り、2勝同士で、かつ得失点差も同じ。負ければ1次予選敗退の危険性もある。「経験値を高める」という観点からすれば、「理想的な状況」でこの大一番を迎えることとなった。
「初戦の悔しさを生かすことができた。冷静に相手を見て、ドリブルをしたりパスをしたりと、自分のやりたいプレーができた」とMF堂安律が語ったように、ディフェンシブに来たオーストラリアに対し、冷静にパスをつないでサイドを起点に揺さぶる。前半はこのペースを崩さず、相手の体力を奪い続けた。
そして、相手の体力が落ちてきた前半終了間際に猛攻を仕掛け、45+1分には、「攻め上がるタイミングを見計らっていた。相手の弱い部分を見極めて、『ここ』というタイミングで仕掛けられた」と右SBの藤谷壮の突破から、高木の先制点を導き、直後にはPKで加点。後半も終始主導権を握り、小川がPKで追加点を決め3-0の勝利。
「初戦と2戦目の反省をしっかりと表現できた。みんなが自信を持ってプレーしていた。プレッシャーのかかるなかで、こうやって試合ごとに良くなって結果を出せたのは、締めとしては良かったと思います」と、坂井が胸を張ったように、『絶対に負けられない戦い』を1次予選で経験し、結果につなげたことは、とてつもなく大きい。
「経験を積み重ねて、大きくなる。そうなることでより『大人のサッカー』ができる。厳しい戦いになればなるほど、いかにバラバラにならずに強固な組織を保てるか、そして得点が入らなくても焦らず戦えるか。1-0のゲームができるようなチームにしたい」
そう語る内山監督が目指すのは、経験値に基づいた「大人のサッカー」。選手たちはそれぞれの所属チームに戻り、さらに来年は主軸の多くがプロの世界に進む。そうなると所属チームでの実戦経験は、どうしても厳しくなる。だからこそ、アジア最終予選に向けて、積極的に海外遠征を実施し、個々の積み上げをサポートしていく。
まだまだ長い道のりのスタートを切ったばかりのU-18日本代表。積み重ねたその先にある大きな目標を目指して、まずは素晴らしい『経験』をラオスの地で掴んだ。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
こう語ったのは、前回のミャンマーでのU-19アジア選手権を経験しているMF坂井大将。チームのなかでも経験値が高い彼ですら、平常心を失った。格下が相手とはいえ、本番の戦い、初戦の難しさを彼らは肌で感じ取ることができた。そして、そこで結果を出すことの重要性も、である。
メンバー総入れ替えで臨んだフィリピン戦は、ほとんどの選手が初戦となったことで、やはり前半は組織として停滞した。グループで一番の格下チームだったがゆえに、最終的には6-0というスコアとなったが、ここでもアジアの難しさを経験した。
そして、最終戦のオーストラリア戦。当初の予想通り、2勝同士で、かつ得失点差も同じ。負ければ1次予選敗退の危険性もある。「経験値を高める」という観点からすれば、「理想的な状況」でこの大一番を迎えることとなった。
「初戦の悔しさを生かすことができた。冷静に相手を見て、ドリブルをしたりパスをしたりと、自分のやりたいプレーができた」とMF堂安律が語ったように、ディフェンシブに来たオーストラリアに対し、冷静にパスをつないでサイドを起点に揺さぶる。前半はこのペースを崩さず、相手の体力を奪い続けた。
そして、相手の体力が落ちてきた前半終了間際に猛攻を仕掛け、45+1分には、「攻め上がるタイミングを見計らっていた。相手の弱い部分を見極めて、『ここ』というタイミングで仕掛けられた」と右SBの藤谷壮の突破から、高木の先制点を導き、直後にはPKで加点。後半も終始主導権を握り、小川がPKで追加点を決め3-0の勝利。
「初戦と2戦目の反省をしっかりと表現できた。みんなが自信を持ってプレーしていた。プレッシャーのかかるなかで、こうやって試合ごとに良くなって結果を出せたのは、締めとしては良かったと思います」と、坂井が胸を張ったように、『絶対に負けられない戦い』を1次予選で経験し、結果につなげたことは、とてつもなく大きい。
「経験を積み重ねて、大きくなる。そうなることでより『大人のサッカー』ができる。厳しい戦いになればなるほど、いかにバラバラにならずに強固な組織を保てるか、そして得点が入らなくても焦らず戦えるか。1-0のゲームができるようなチームにしたい」
そう語る内山監督が目指すのは、経験値に基づいた「大人のサッカー」。選手たちはそれぞれの所属チームに戻り、さらに来年は主軸の多くがプロの世界に進む。そうなると所属チームでの実戦経験は、どうしても厳しくなる。だからこそ、アジア最終予選に向けて、積極的に海外遠征を実施し、個々の積み上げをサポートしていく。
まだまだ長い道のりのスタートを切ったばかりのU-18日本代表。積み重ねたその先にある大きな目標を目指して、まずは素晴らしい『経験』をラオスの地で掴んだ。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)