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「根強いタケへの疑念は永遠に払拭された」久保建英のマンU戦をどう見た? ソシエダ番記者の“リアル評”。「観客から不当な非難を浴びても躊躇なく…」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

ミケル・レカルデ

2022年09月11日

タケが最も抱擁され祝福を受けていた

左サイドに回った後半に敵にの右SBリンデロフを圧倒した。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

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 先述した通り、前半に関しては、良い出来とは言えなかった。しかしそんな中でも、クロスが惜しくもシルバに合わなかったシーンを演出した後、アイヘン・ムニョスとの息の合ったコンビネーションから最後はブライス・メンデスがシュートを放つなど、危険な存在となっていた。

 後半開始と同時にユナイテッドのテン・ハーグ監督は2人をチェンジ。その一環で、リンデロフを右SBにスライドすると、今度はアルグアシル監督が4-2-3-1にシステムをシフト。タケを左サイドに配置し、その急造SBに当てた。タケは勤勉さも持ち合わせ、事実リンデロフが攻め上がると、しっかり守備に回っていたが、対峙する相手のぎこちなさを察知するのに時間はかからなかった。
 
 まずアレクサンダー・セルロトにピンポイントクロスを供給。巨漢FWのヘディングシュートはバーの上を越えたが、さらにその続けざまドリブルでリンデロフをかわし、再びセルロートめがけてピンポイントのクロスを蹴り込むと、リサンドロ・マルティネスが懸命に足を伸ばしてクリア。そしてそのCKからだった。

 右サイドにポジションを移したタケは、ランプをこするように丁寧にシルバにボールを預けると、そのシュートはリサンドロ・マルティネスのハンドを誘発。PKを蹴っていれば(ブライス・メンデスが決めた)、完璧なシナリオの完遂だった。

 その後、チャンスを得たが、シュートは相手GK、ダビド・デヘアの正面を突き、難なく弾かれた。78分、タケはアンデル・バレネチェアとの交代でベンチに下がった。時間稼ぎに使っていると観客から不当な非難を浴びても、躊躇なく謝罪する姿が印象的だった。

 試合終了後、勝利を祝う輪の中で、最も抱擁され祝福を受けたのがタケだった。その表情には、天才的な一撃で試合の結果を変えることのできる特別なプレーヤーのみが見せる、笑みが浮かんでいた。楽観的でバイタリティに溢れる。タケの真骨頂を見た一戦だった。

文●ミケル・レカルデ(ノティシアス・デ・ギプスコア)
翻訳●下村正幸

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