チームの変化の中心には彼の姿が
広島戦後、家長が川崎に加入した2017年からその背中を見続けてきた現キャプテンの谷口彰悟も、変化を語ってくれた。
「プレーでも随所で引っ張ってくれますし、やはりクオリティの高い選手だと誰が見ても分かります。それと今年はより要求してくれるようになったというか、『こういう風にしてくれ』だとか『こういう風にしたほうが良いんじゃないか』とか気付いたらどんどん言ってくれる。
それはチーム全体を通してで、中盤の選手だったり、ディフェンスラインの選手に対してもそうですが、要求してくれると、自分たちもその要求に応えられるように頑張りますし、逆にこちらからも『こうしてほしい』と話すこともできる。そういう意味では良いコミュニケショーンを取れていると感じます。チームの底上げ、レベルアップという意味ではすごく良いことだと思います」
「プレーでも随所で引っ張ってくれますし、やはりクオリティの高い選手だと誰が見ても分かります。それと今年はより要求してくれるようになったというか、『こういう風にしてくれ』だとか『こういう風にしたほうが良いんじゃないか』とか気付いたらどんどん言ってくれる。
それはチーム全体を通してで、中盤の選手だったり、ディフェンスラインの選手に対してもそうですが、要求してくれると、自分たちもその要求に応えられるように頑張りますし、逆にこちらからも『こうしてほしい』と話すこともできる。そういう意味では良いコミュニケショーンを取れていると感じます。チームの底上げ、レベルアップという意味ではすごく良いことだと思います」
この“要求”という言葉は、チームがシーズン終盤に来て、調子を上げている要因に、鬼木監督も挙げている。数人の主力が移籍して例年よりフレッシュな陣容で迎えた今季は、新型コロナウイルスの感染者が複数出るなど不測の事態にも見舞われ、苦戦が続いたが、徐々に力強さが蘇っている。指揮官は歩みを振り返る。
「チームとして急成長させたいという想いもありながらも、今起きていることを見据えながら、基本的なところを疎かにして“飛んで”いっちゃうと、最後でチームにパワーが出なくなるなとやっぱり思っていました。
そういう意味で言うと、急成長というところまではなかなか難しいかもしれませんが、上ったり下ったり、少し苦しんでいますが、しっかり右肩上がりできているのかなとは感じます。
それはいろんなアクシデントがあったことが、逆に選手を強くしていったのかなと思いますし、様々な言い訳ができる状況があるなかで、結果を残さなくてはいけなかった。当然、みんなの努力やその過程も見てきていますが、結果でしか評価されないところもあるので、そこに向けてしっかりブレずにやってきていることが、力になっていると思います。
それにやっぱり一番は声ですかね。本当に、いろんな要求や鼓舞するところ、要求の中には言い合いもありますが、その要求がだいぶ高くなってきたかなと。そこが一番、今嬉しいところですね。
(若手選手も)徐々に変わっていますし、逆に言ったら、ベテラン選手が『言わなくても分かるだろう』じゃないですが、そういう風に見ていたところを、より要求するようになった。ベテラン選手が逆に要求し出したことが良い方向にいっているかなと。
やっぱり『分かっているだろう』ではなく言葉で伝える。もしくはジェスチャーで伝える。なんにしても伝える作業をすることが今、良くなっている要因だと思います」
この鬼木監督の言葉には谷口も大きく頷く。
「このチームはレベルの高い要求ができるチームですが、『このくらいだったら言わなくて分かっているだろう』というのは正直あって、そういったところを逃して、敗戦しているゲームもたくさんあった。
だから、それじゃ、もったいないよねというところは、みんが気付き出したし、そのなかで分かっていても伝え合う。それは練習中もそうだし、ゲーム中も分かっていても声で気付かせるところはこだわっている。良い方向につながっていると思います。ロッカーのなかでも要求の声は増えているので良いことだなと」
Jの歴史でまだ鹿島しか成し遂げていないリーグ3連覇。その偉業達成へ2度目の挑戦をしている川崎は、今季、苦しみながらもチームとして成長を果たしてきた。
その中心には指針となれる家長の姿があり、彼もまたチームの状況を見渡しながら改めて進化を果たしてきたのだろう。
要求し合い、よりレベルの高い集団になっているなかで家長が果たす役割は大きい。誰もが頼る“アキさん”は、やはり川崎の逆転優勝へ絶対に欠かせない存在と言えそうだ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【J1第29節 PHOTO】川崎 4-0 広島|上位生き残りを賭けた試合は川崎が大量4ゴールを奪い勝利
「チームとして急成長させたいという想いもありながらも、今起きていることを見据えながら、基本的なところを疎かにして“飛んで”いっちゃうと、最後でチームにパワーが出なくなるなとやっぱり思っていました。
そういう意味で言うと、急成長というところまではなかなか難しいかもしれませんが、上ったり下ったり、少し苦しんでいますが、しっかり右肩上がりできているのかなとは感じます。
それはいろんなアクシデントがあったことが、逆に選手を強くしていったのかなと思いますし、様々な言い訳ができる状況があるなかで、結果を残さなくてはいけなかった。当然、みんなの努力やその過程も見てきていますが、結果でしか評価されないところもあるので、そこに向けてしっかりブレずにやってきていることが、力になっていると思います。
それにやっぱり一番は声ですかね。本当に、いろんな要求や鼓舞するところ、要求の中には言い合いもありますが、その要求がだいぶ高くなってきたかなと。そこが一番、今嬉しいところですね。
(若手選手も)徐々に変わっていますし、逆に言ったら、ベテラン選手が『言わなくても分かるだろう』じゃないですが、そういう風に見ていたところを、より要求するようになった。ベテラン選手が逆に要求し出したことが良い方向にいっているかなと。
やっぱり『分かっているだろう』ではなく言葉で伝える。もしくはジェスチャーで伝える。なんにしても伝える作業をすることが今、良くなっている要因だと思います」
この鬼木監督の言葉には谷口も大きく頷く。
「このチームはレベルの高い要求ができるチームですが、『このくらいだったら言わなくて分かっているだろう』というのは正直あって、そういったところを逃して、敗戦しているゲームもたくさんあった。
だから、それじゃ、もったいないよねというところは、みんが気付き出したし、そのなかで分かっていても伝え合う。それは練習中もそうだし、ゲーム中も分かっていても声で気付かせるところはこだわっている。良い方向につながっていると思います。ロッカーのなかでも要求の声は増えているので良いことだなと」
Jの歴史でまだ鹿島しか成し遂げていないリーグ3連覇。その偉業達成へ2度目の挑戦をしている川崎は、今季、苦しみながらもチームとして成長を果たしてきた。
その中心には指針となれる家長の姿があり、彼もまたチームの状況を見渡しながら改めて進化を果たしてきたのだろう。
要求し合い、よりレベルの高い集団になっているなかで家長が果たす役割は大きい。誰もが頼る“アキさん”は、やはり川崎の逆転優勝へ絶対に欠かせない存在と言えそうだ。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
【J1第29節 PHOTO】川崎 4-0 広島|上位生き残りを賭けた試合は川崎が大量4ゴールを奪い勝利