【川崎】指揮官やキャプテンが語る家長昭博の変化。躍動するフィールドプレーヤー最年長は例年とどこが異なるのか?

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2022年09月11日

10ゴールで得点ランク2位タイに

チームメイトと喜びを分かち合う家長。慕われる存在である。写真:徳原隆元

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[J1第29節]川崎4-0広島/9月10日/等々力陸上競技場

 チーム誰もが頼る男“アキさん”こと家長昭博の勢いが止まらない。

 29節、等々力での広島戦で、川崎の41番は2ゴールを挙げるとともに、右ウイングながらポジションに捉われずにピッチ全体で柔軟な立ち位置を取りながら、攻撃を牽引。まさに別格の存在感を放ち、前節は湘南に敗れたものの、ここ1か月のリーグ戦6試合で5勝1敗と、首位の横浜を猛追するチームのキーマンとなっているのだ。

 広島戦の2ゴールで、今季の得点数は「10」を数え、得点ランキングでは2位タイに浮上。ちなみに広島戦ではFW知念慶に切望されPKのキッカーを譲ったが、ハットトリックのチャンスもあった。決定力、チャンスメイク能力、要所を抑えるいぶし銀の働きなど、彼のプレーを見ているだけでサッカーの醍醐味を感じられるほどの活躍ぶりである。

 36歳となった今季はここまでリーグ戦にチームで唯一、全27試合に出場。そのタフネスぶりも評価されるべきで、特にここ数試合の躍動は特筆ものである。

 シーズン序盤戦も、もちろん重要な存在であったが、経験豊富な男である、勝負所となった終盤戦にピークを合わせてきたのか。その姿には数日前に話を訊いた鬼木達監督も笑みをこぼしていた。

「どうなんですかね。(好調の要因は)僕も知りたいくらいです(笑)。でもなんて言いますか、やっぱりすごく冷静ですが、すごく熱いものを感じますよね」

 そして彼の今季の変化を言葉にしてくれた。

「ここ数試合、その前もそうですが、今年は徐々に変化があるように思っています。プレーもそうですし、皆さんも感じているかもしれませんが、より周囲に指示を出すところ、声をかけるところですよね。

 チームを良くしようという想いが強く、良くするためには、まずは自分が見せる。元々、背中で見せるタイプですが、そういう部分がより強くなり、プラス今年は必要なことを発言していくようになっているのかなと。そんなところが自分のなかでは見受けられます。

 それはやっぱり単純に『チームを良くしたい』『勝たせたい』想いが強いからこそのはずです」

 そして指揮官はこう続ける。

「彼の発言は勝つことだけで満足していないというか、より質のところを求めている。それこそ“これがフロンターレなんだよ”と言っているかのように。

 フィールドプレーヤーで一番年上の彼が発することで、チームのみんなへ『これで満足してはいけないんだ』というメッセージにもなっている。

 発信することの意味を理解し、“自らが示す”という意識が強いと言いますか、そういう意味では非常に頼もしい存在です。その影響力はトレーニングのなかで出ていますし、ゲームのなかでも別格と言って良いと思います。それをこの過密日程のなかで続けているのは、良くやっているなと感じますよね」
 確かにこれまでの家長は、メディアの前でも決して雄弁ではなく、どちらかと言えば、プレーで自らの意志を示すかのような職人肌の色合いが強い選手であったように映る

 それが今季は、よりメッセージ性の強い発言を口にしていた印象が個人的にも強いのである。

 例えば、逆転優勝へ絶対に負けらなかった8月の横浜との直接対決。ゲームは試合終了間際のジェジエウの劇的な勝ち越し弾で川崎が勝利を挙げ、試合後も興奮冷めやらぬ雰囲気であった。ただ、家長は実に落ち着き、今後の戦いに向けてチームを引き締めているようだった。

 とかく「まだ慌てちゃったり、試合のなかで頑張るところを履き違えていたり、スムーズにチームが回る状況ができるようになっていけば、みんなが頑張らずにスムーズに戦える展開になるのかなと感じます。一人ひとりが向上すれば、90分余裕を持ってやっていけると思います」。

 またはリーグ連覇中の王者としての経験をこの試合に生かせたのかと聞けば「いやーないですね。(経験を)今日生かせるなら、もっと普段から生かさないといけないですしね。今日勝ったからそういう話になりますが、じゃあ今までの試合はなんだったんだと言われたおしまいです。そういうアドバンテージは持っていないと思いますし、今、一番良いのはマリノスだと感じます。彼らのサッカーが一番良いと思うので、僕らはもっと謙虚にやらないといけない。今はそれが求められていると思います」と答えてみせる。

 まさにチームの指標になれる存在。迷った時にこそ、その背中を探す。そんなプレーヤーがいることの頼もしさは、言葉で表現できないほどのものであるのだろう。
 
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