ネイマールをトップ下で起用して崩しのクオリティーダウンを緩和する。
(2)システムを4-2-3-1に変更し、トップ下を置く。
レバークーゼン戦は普段どおりの4-3-3でスタートしたが、後半途中から3-5-2にシステムを変更。結果的に逆転劇に繋がりはしたが、この3バックは機能したとは言い難い。
メッシ不在中にL・エンリケが決断すべき2つ目の変更は、4-3-3から4-2-3-1へのスイッチだ。
メッシを欠いた状態の4-3-3の最大の欠点は、CFルイス・スアレスの後方で崩しを担う選手がいないことである。
右ウイングをスタートポジションとするメッシだが、ドリブルやワンツーで中央に切れ込むプレーが十八番。いわば「偽のウイング」であり、ほとんど10番的な役割を担っているのだ。
メッシに加えてイニエスタも戦線離脱しただけに、スアレスの後方、つまり敵2ライン(DFとMF)間で違いを作れる選手が必要だろう。
4-2-3-1にした際のトップ下は、ネイマールがもっとも御誂え向き。スアレスと縦の連携を築ければ、どんな相手にとっても脅威になる。
左から中央へのドリブルが敵チームに読まれつつあるネイマールは、ブラジル代表でも担っている自由度の高い“王様”のポジションで、むしろ輝きを増すかもしれない。
ネイマールがいた左サイドは縦の意識が強いムニル・エル・ハッタディ、あるいはレバークーゼン戦で好調だった本来は左SBのジョルディ・アルバを起用してもいい。右サイドはサンドロかムニル、もしくは本職ではないがイバン・ラキティッチを起用する手もある。
4-2-3-1のもうひとつの選択肢は、トップ下にラキティッチ、左サイドにネイマールを据え、ドブレピボーテ(ダブルボランチ)にセルヒオ・ブスケッツとハビエル・マスチェラーノを並べる形だ。
ラキティッチは昨夏のバルサ入団以降、献身性と戦術理解力を利して脇役に徹しているが、セビージャ時代はトップ下として攻撃の全権を担っていた。メッシ不在の危機を救うため、このクロアチア代表MFに主役の座を担ってもらうのだ。
マスチェラーノをCBから中盤に上げてブスケツと並べれば、中盤の守備力とインテンシティーの強化にも繋がるだろう。
天才メッシの穴を完全に埋めることは、言うまでもなく不可能だ。しかし、S・ロベルトの先発起用と、4-2-3-1へのシステム変更、そしてネイマール(あるいはラキティッチ)のトップ下起用により、そのマイナスは最小限に留められる。
私はそう考えている。
文:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ)
翻訳:豊福晋
【著者プロフィール】
Luis Fernando ROJO|MARCA
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはブライアン・ロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
レバークーゼン戦は普段どおりの4-3-3でスタートしたが、後半途中から3-5-2にシステムを変更。結果的に逆転劇に繋がりはしたが、この3バックは機能したとは言い難い。
メッシ不在中にL・エンリケが決断すべき2つ目の変更は、4-3-3から4-2-3-1へのスイッチだ。
メッシを欠いた状態の4-3-3の最大の欠点は、CFルイス・スアレスの後方で崩しを担う選手がいないことである。
右ウイングをスタートポジションとするメッシだが、ドリブルやワンツーで中央に切れ込むプレーが十八番。いわば「偽のウイング」であり、ほとんど10番的な役割を担っているのだ。
メッシに加えてイニエスタも戦線離脱しただけに、スアレスの後方、つまり敵2ライン(DFとMF)間で違いを作れる選手が必要だろう。
4-2-3-1にした際のトップ下は、ネイマールがもっとも御誂え向き。スアレスと縦の連携を築ければ、どんな相手にとっても脅威になる。
左から中央へのドリブルが敵チームに読まれつつあるネイマールは、ブラジル代表でも担っている自由度の高い“王様”のポジションで、むしろ輝きを増すかもしれない。
ネイマールがいた左サイドは縦の意識が強いムニル・エル・ハッタディ、あるいはレバークーゼン戦で好調だった本来は左SBのジョルディ・アルバを起用してもいい。右サイドはサンドロかムニル、もしくは本職ではないがイバン・ラキティッチを起用する手もある。
4-2-3-1のもうひとつの選択肢は、トップ下にラキティッチ、左サイドにネイマールを据え、ドブレピボーテ(ダブルボランチ)にセルヒオ・ブスケッツとハビエル・マスチェラーノを並べる形だ。
ラキティッチは昨夏のバルサ入団以降、献身性と戦術理解力を利して脇役に徹しているが、セビージャ時代はトップ下として攻撃の全権を担っていた。メッシ不在の危機を救うため、このクロアチア代表MFに主役の座を担ってもらうのだ。
マスチェラーノをCBから中盤に上げてブスケツと並べれば、中盤の守備力とインテンシティーの強化にも繋がるだろう。
天才メッシの穴を完全に埋めることは、言うまでもなく不可能だ。しかし、S・ロベルトの先発起用と、4-2-3-1へのシステム変更、そしてネイマール(あるいはラキティッチ)のトップ下起用により、そのマイナスは最小限に留められる。
私はそう考えている。
文:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ)
翻訳:豊福晋
【著者プロフィール】
Luis Fernando ROJO|MARCA
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはブライアン・ロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。