バルサ番記者の提言――「メッシの穴」はこう埋めろ!!

カテゴリ:メガクラブ

ルイス・フェルナンド・ロホ

2015年10月02日

ネイマールをトップ下で起用して崩しのクオリティーダウンを緩和する。

ネイマール(右)をトップ下に置き、スアレス(左)と「縦の連携」を構築すれば、メッシ欠場による攻撃の破壊力と創造性のダウンを多少は食い止められるかもしれない。(C)Getty Images

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(2)システムを4-2-3-1に変更し、トップ下を置く。
 
 レバークーゼン戦は普段どおりの4-3-3でスタートしたが、後半途中から3-5-2にシステムを変更。結果的に逆転劇に繋がりはしたが、この3バックは機能したとは言い難い。
 
 メッシ不在中にL・エンリケが決断すべき2つ目の変更は、4-3-3から4-2-3-1へのスイッチだ。
 
 メッシを欠いた状態の4-3-3の最大の欠点は、CFルイス・スアレスの後方で崩しを担う選手がいないことである。
 
右ウイングをスタートポジションとするメッシだが、ドリブルやワンツーで中央に切れ込むプレーが十八番。いわば「偽のウイング」であり、ほとんど10番的な役割を担っているのだ。
 
 メッシに加えてイニエスタも戦線離脱しただけに、スアレスの後方、つまり敵2ライン(DFとMF)間で違いを作れる選手が必要だろう。
 
 4-2-3-1にした際のトップ下は、ネイマールがもっとも御誂え向き。スアレスと縦の連携を築ければ、どんな相手にとっても脅威になる。
 
 左から中央へのドリブルが敵チームに読まれつつあるネイマールは、ブラジル代表でも担っている自由度の高い“王様”のポジションで、むしろ輝きを増すかもしれない。
 
 ネイマールがいた左サイドは縦の意識が強いムニル・エル・ハッタディ、あるいはレバークーゼン戦で好調だった本来は左SBのジョルディ・アルバを起用してもいい。右サイドはサンドロかムニル、もしくは本職ではないがイバン・ラキティッチを起用する手もある。
 
 4-2-3-1のもうひとつの選択肢は、トップ下にラキティッチ、左サイドにネイマールを据え、ドブレピボーテ(ダブルボランチ)にセルヒオ・ブスケッツとハビエル・マスチェラーノを並べる形だ。
 
 ラキティッチは昨夏のバルサ入団以降、献身性と戦術理解力を利して脇役に徹しているが、セビージャ時代はトップ下として攻撃の全権を担っていた。メッシ不在の危機を救うため、このクロアチア代表MFに主役の座を担ってもらうのだ。
 
 マスチェラーノをCBから中盤に上げてブスケツと並べれば、中盤の守備力とインテンシティーの強化にも繋がるだろう。
 
 天才メッシの穴を完全に埋めることは、言うまでもなく不可能だ。しかし、S・ロベルトの先発起用と、4-2-3-1へのシステム変更、そしてネイマール(あるいはラキティッチ)のトップ下起用により、そのマイナスは最小限に留められる。
 
 私はそう考えている。
 
文:ルイス・フェルナンド・ロホ(マルカ)
翻訳:豊福晋
 
【著者プロフィール】
Luis Fernando ROJO|MARCA
ルイス・フェルナンド・ロホ
スペイン最大の発行部数を誇るスポーツ紙『マルカ』でバルセロナ番を20年以上務め、現在は同紙のバルセロナ支局長。ヨハン・クライフら往年の選手とも親交が深く、ジョゼ・モウリーニョとはブライアン・ロブソンの通訳時代から親密な関係を築く。
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