バイエルンとの大一番で香川に求められる役割は――。
ミュンヘンでの大一番の後には、ドルトムントに浮上するいくつかの疑問について答が出ているだろう。
まず、CBから右SBにコンバートされたマティアス・ギンターはトップレベルでも通用するのか? ドグラス・コスタとのマッチアップでその真価が明らかになるだろう。
次に、相手にポゼッションを許す展開にどう対応するのか? トーマス・トゥヘル監督が就任して以来、ドルトムントは質の高いポゼッションサッカーを見せてきたが、カウンターでも違いを生み出せるだろうか。
おそらくバイエルンはDFラインを高く押し上げ、前線からプレッシャーをかけてくる。そうなった場合、ドルトムントのアタッカーたちにとっては好都合と言える。敵最終ラインの背後にスペースが生じれば、マルコ・ロイスやピエール=エメリク・オーバメヤンらのスピードが活きてくるだろう。
怪我明けのロイスは本調子と言えないだけに、私はアドナン・ヤヌザイを先発に推す。このベルギー代表を右ウイングに置き、左にヘンリク・ムヒタリアン、そしてトップ下には香川真司を配置。ダルムシュタット戦での香川は前半こそ冴えなかったものの、後半は明らかにパフォーマンスが向上していた。
ダルムシュタット戦のオーバヤンの1点目をアシストしたのは右SBギンターで、香川の浮き球のパスが起点となっていた。この香川→ギンター→オーバメヤンという一連の崩しは、今シーズンのドルトムントの得点パターンのひとつとなっている。バイエルン戦でもこの形からチャンスを生み出せるか注目だ。
アタッカー陣を後方から操るのがイルカイ・ギュンドアン。しかし、バイエルン戦ではボールを支配される展開が予想されるため、いつもより守備的に振る舞う必要があるだろう。
そのギュンドアンと中盤センターでコンビを組むユリアン・ヴァイグルは、相方よりも難しいタスクに挑む。バイタルエリアをせわしなく動き回るトーマス・ミュラーを封じなければならないからだ。
ドルトムントがバイエルンに勝つ可能性は十分にある。仮にそうなれば、優勝争いが面白くなるだろう。
ただ最終的にはバイエルンが優勝する可能性が高い。この絶対王者が、ドルトムントがダルムシュタット相手に引き分けたような“失態”を演じるとは到底思えない。仮にあったとしても、シーズンに一度や二度だろう。
ドルトムントにとってより悩ましいのは、10月1日(木)にヨーロッパリーグのPAOKとのアウェーゲームを控えていること。遠征先のギリシャのテロサニキから戻ってくるのはおそらく2日になるだろう。9月29日にチャンピオンズ・リーグのディナモ・ザグレブ戦(9月29日)に5-0で勝利したバイエルンよりも日程的にハードで、コンディション面での不安が拭えない。
この窮地をどう乗り切るのか。ドルトムントの真価が問われる。
文:マルクス・バーク
翻訳:円賀貴子
Marcus BARK
マルクス・バーク/地元のドルトムントに太いパイプを持つフリージャーナリストで、ドイツ第一公共放送・ウェブ版のドイツ代表番としても活躍中。国外のリーグも幅広くカバーし、複数のメジャー媒体に寄稿する。1962年7月8日生まれ。
まず、CBから右SBにコンバートされたマティアス・ギンターはトップレベルでも通用するのか? ドグラス・コスタとのマッチアップでその真価が明らかになるだろう。
次に、相手にポゼッションを許す展開にどう対応するのか? トーマス・トゥヘル監督が就任して以来、ドルトムントは質の高いポゼッションサッカーを見せてきたが、カウンターでも違いを生み出せるだろうか。
おそらくバイエルンはDFラインを高く押し上げ、前線からプレッシャーをかけてくる。そうなった場合、ドルトムントのアタッカーたちにとっては好都合と言える。敵最終ラインの背後にスペースが生じれば、マルコ・ロイスやピエール=エメリク・オーバメヤンらのスピードが活きてくるだろう。
怪我明けのロイスは本調子と言えないだけに、私はアドナン・ヤヌザイを先発に推す。このベルギー代表を右ウイングに置き、左にヘンリク・ムヒタリアン、そしてトップ下には香川真司を配置。ダルムシュタット戦での香川は前半こそ冴えなかったものの、後半は明らかにパフォーマンスが向上していた。
ダルムシュタット戦のオーバヤンの1点目をアシストしたのは右SBギンターで、香川の浮き球のパスが起点となっていた。この香川→ギンター→オーバメヤンという一連の崩しは、今シーズンのドルトムントの得点パターンのひとつとなっている。バイエルン戦でもこの形からチャンスを生み出せるか注目だ。
アタッカー陣を後方から操るのがイルカイ・ギュンドアン。しかし、バイエルン戦ではボールを支配される展開が予想されるため、いつもより守備的に振る舞う必要があるだろう。
そのギュンドアンと中盤センターでコンビを組むユリアン・ヴァイグルは、相方よりも難しいタスクに挑む。バイタルエリアをせわしなく動き回るトーマス・ミュラーを封じなければならないからだ。
ドルトムントがバイエルンに勝つ可能性は十分にある。仮にそうなれば、優勝争いが面白くなるだろう。
ただ最終的にはバイエルンが優勝する可能性が高い。この絶対王者が、ドルトムントがダルムシュタット相手に引き分けたような“失態”を演じるとは到底思えない。仮にあったとしても、シーズンに一度や二度だろう。
ドルトムントにとってより悩ましいのは、10月1日(木)にヨーロッパリーグのPAOKとのアウェーゲームを控えていること。遠征先のギリシャのテロサニキから戻ってくるのはおそらく2日になるだろう。9月29日にチャンピオンズ・リーグのディナモ・ザグレブ戦(9月29日)に5-0で勝利したバイエルンよりも日程的にハードで、コンディション面での不安が拭えない。
この窮地をどう乗り切るのか。ドルトムントの真価が問われる。
文:マルクス・バーク
翻訳:円賀貴子
Marcus BARK
マルクス・バーク/地元のドルトムントに太いパイプを持つフリージャーナリストで、ドイツ第一公共放送・ウェブ版のドイツ代表番としても活躍中。国外のリーグも幅広くカバーし、複数のメジャー媒体に寄稿する。1962年7月8日生まれ。