川崎と鹿島、両者の関係はどう変化していくか
試合後、鬼木監督と同様の意見を語ったのは、キャプテンの谷口だ。結果と内容面の手応えを訊くと、やはり前向きな言葉が口をつく。
「鹿島相手にしっかり勝ち切ったのは評価して良いと思います。苦しい時間は結構多かったですが、いろんなことを試しながら、勝ち切れたことは次につながるはずです。
もちろん僕らが目指している展開ではなかったですし、2-0になってからの試合運びは、もっと上手くやれるようにしないと、自分たちで苦しいゲームにしてしまった感覚はあります。そういうところは今後の反省点にして生かしていきたいです。
それでも最後(最終ラインを)5枚にしたりだとか、相手にやらせないような、何がなんでも勝点3を取るところを、いろんな策を講じながらやれた点は、そこまでネガティブには捉えてないですし、むしろ、そんなことをしてでも、しっかり勝ち切ったところは評価していいと思います。そこはポジティブに捉えながら、反省するところは反省して次に向かいたいです」
谷口は最近の試合で、相手への寄せ方など、周囲に檄を飛ばす姿をよく目にするように映る。その意味では鹿島後の「きつい時間帯でもやるべきことをやることが大事」という言葉には、王者としての矜持も感じられた。
「展開的にも1点を取られて鹿島の勢いが出始めたというところで、ゲームの終わらせ方を含めてセレッソ戦の教訓が生きたと感じます。最後、山村(和也)選手が入って5枚になったところでは、ラインコントロールを率先してやってくれて、守備の時間でしたが、自分たち優位で進めていくことができました。
きつい時間帯でも、やるべきことをやることが大事で、余裕が生まれますし、ピンチを作らせないというところにつながるなと、改めて今日のゲームを通して学べたことでもあります。そういう意味では終わらせ方を含め、セレッソ戦だけではないですが、積み上げはできていると思います」
「鹿島相手にしっかり勝ち切ったのは評価して良いと思います。苦しい時間は結構多かったですが、いろんなことを試しながら、勝ち切れたことは次につながるはずです。
もちろん僕らが目指している展開ではなかったですし、2-0になってからの試合運びは、もっと上手くやれるようにしないと、自分たちで苦しいゲームにしてしまった感覚はあります。そういうところは今後の反省点にして生かしていきたいです。
それでも最後(最終ラインを)5枚にしたりだとか、相手にやらせないような、何がなんでも勝点3を取るところを、いろんな策を講じながらやれた点は、そこまでネガティブには捉えてないですし、むしろ、そんなことをしてでも、しっかり勝ち切ったところは評価していいと思います。そこはポジティブに捉えながら、反省するところは反省して次に向かいたいです」
谷口は最近の試合で、相手への寄せ方など、周囲に檄を飛ばす姿をよく目にするように映る。その意味では鹿島後の「きつい時間帯でもやるべきことをやることが大事」という言葉には、王者としての矜持も感じられた。
「展開的にも1点を取られて鹿島の勢いが出始めたというところで、ゲームの終わらせ方を含めてセレッソ戦の教訓が生きたと感じます。最後、山村(和也)選手が入って5枚になったところでは、ラインコントロールを率先してやってくれて、守備の時間でしたが、自分たち優位で進めていくことができました。
きつい時間帯でも、やるべきことをやることが大事で、余裕が生まれますし、ピンチを作らせないというところにつながるなと、改めて今日のゲームを通して学べたことでもあります。そういう意味では終わらせ方を含め、セレッソ戦だけではないですが、積み上げはできていると思います」
反省点は自分たちでも十分に理解している。そのうえで、この日は鹿島という難敵を相手に勝点3を得たことが何よりも大きいのだろう。
今季は苦しい戦いを続けているが、それは多くの主力が海外移籍したこともあり、開幕前から覚悟していたこと。2連覇中の王者ながら指揮官も何度もチームとして成長することの重要性を説いていた。
一方で鹿島を新たに率いている岩政大樹監督の言葉も印象深い。
「ゴール前にどうやって入っていて、どのようにシュートを打つかというところは後半は見えたと思います。いずれにしてもこのサッカーをしながら得点までいかなくてはいけないですし、仕留め切らないといけないです。そこは川崎に上回られたという言い方になりますが、これは、僕からしたら数年前に鹿島が通っていて、鹿島はゲームコントロールで勝ちました。川崎は良いサッカーをしました。(その意味で)逆転してきたなと。僕は引っくり返す部分に手応えを感じました。それを前後半見せてくれた選手たちに感謝しています」
岩政監督は試合前に、選手たちに「常勝の看板を下ろして良い」と伝えたという。
その背景には「僕らはこれからチームを作る。そのなかでたくさんのミスとたくさんの負けは出るだろうと。そこは僕が引き受けるので、選手たちにはとにかく、今やろうとしていることを続けることだけ、どんなスコアになっても、どんな状況になっても、相手がボールを回し続けても、続けることを求めました。それを90分やってくれた。本当に素晴らしかったです」との想いがあったという。
川崎は王者として追われる身。それでも川崎も修正と手応えを積み重ねている。両者の立ち位置が今後、どのように変わってくるのか。Jリーグの行く末を占う意味でも非常に興味深いポイントがこの試合で生まれたようにも感じる。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
今季は苦しい戦いを続けているが、それは多くの主力が海外移籍したこともあり、開幕前から覚悟していたこと。2連覇中の王者ながら指揮官も何度もチームとして成長することの重要性を説いていた。
一方で鹿島を新たに率いている岩政大樹監督の言葉も印象深い。
「ゴール前にどうやって入っていて、どのようにシュートを打つかというところは後半は見えたと思います。いずれにしてもこのサッカーをしながら得点までいかなくてはいけないですし、仕留め切らないといけないです。そこは川崎に上回られたという言い方になりますが、これは、僕からしたら数年前に鹿島が通っていて、鹿島はゲームコントロールで勝ちました。川崎は良いサッカーをしました。(その意味で)逆転してきたなと。僕は引っくり返す部分に手応えを感じました。それを前後半見せてくれた選手たちに感謝しています」
岩政監督は試合前に、選手たちに「常勝の看板を下ろして良い」と伝えたという。
その背景には「僕らはこれからチームを作る。そのなかでたくさんのミスとたくさんの負けは出るだろうと。そこは僕が引き受けるので、選手たちにはとにかく、今やろうとしていることを続けることだけ、どんなスコアになっても、どんな状況になっても、相手がボールを回し続けても、続けることを求めました。それを90分やってくれた。本当に素晴らしかったです」との想いがあったという。
川崎は王者として追われる身。それでも川崎も修正と手応えを積み重ねている。両者の立ち位置が今後、どのように変わってくるのか。Jリーグの行く末を占う意味でも非常に興味深いポイントがこの試合で生まれたようにも感じる。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)