【山形】最下位でも“玉砕”覚悟でスタイル貫徹――指揮官の男気が山形を救うか?

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2015年09月21日

「チーム全員が同じベクトルのパワーを持って戦いたい」(山岸)

ディエゴに次ぐスコアラーがいないのが目下の課題。ロメロ・フランクは広島戦、柏戦とキレのある動きを見せており、あとはフィニッシュで決め切るだけだ。写真:徳原隆元

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 守備面では、“山の神”山岸がディフェンスラインを締め、故障で長期間戦列を離れていたリベロの渡辺が復帰し、シーズン途中にG大阪から加入したボランチの小椋がチームに馴染み始めるなど、戦力はある程度計算が立っている。
 
 それだけに、1試合平均0.67得点と「誰が見ても明確」(山岸)である決定力不足を克服しなければ、J1残留は見えてこない。
 
 チームトップの7得点を挙げているFWディエゴに続く選手がいないのがそもそもの “元凶”だが、広島戦で先制点を演出したロメロ・フランクはその筆頭候補となるべき存在。柏戦でもディエゴとのカウンターや川西とのワンツーなど連係で崩してシュートまでは行けているだけに、ロメロ・フランク本人も「あとは冷静に打って、決め切るだけ。守備陣の奮闘に応えたい」と自覚を見せる。併せて、チーム全体としては判断のミス、プレーのミスを減らすことで、得点力を上げていきたい。
 
 9月23日に行なわれる次節は、同じ残留争いの渦中にいる松本との直接対決となる。「勝点1では上との差が縮まらない」(石﨑監督)以上、山形に残された道は勝利しかない。
 
 柏戦後、同じ引き分けでもブーイングを受けている柏とは対照的に、敵地に駆け付けたサポーターからは大きな拍手が送られた。その光景を目の当たりにしたロメロ・フランクは「次こそは絶対に勝点3を取りたい気持ちが強くなった」と大一番に闘志を燃やす。
 
「チームとしては残留という目標が目の前にある。まだまだ可能性があるわけだから、チーム全員が同じベクトルのパワーを持って、松本との直接対決でしっかり勝って山形に帰りたい」(山岸)
 
 ブレずに、自らのスタイルを貫いて、残留を勝ち取る――。石﨑監督を中心としたクラブの挑戦はどんな結末を迎えるのか。その行く末を見守りたい。
 
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)

山形の面々は決して下を向かない。たとえ勝利に恵まれなかったとしても、その“雑草魂”が次の試合へと彼らを突き動かす。写真:徳原隆元

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