鮮烈デビューを飾った町野修斗と西村拓真。2人が森保JのFW陣にもたらす効果とは?

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年07月20日

推進力とゴール前への厚みをもたらせる存在

リーグではここまでお互いに8得点の町野(左)と西村(右)。E-1後のクラブでの活躍にも注目が集まる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 加えて言うと、西村は最前線でもプレーできる選手。「(今回は)トップで使われるかは分かんないです。イメージも今のところない」とのことだが、トップに陣取った場合でも前からのプレッシングやハードワークで貢献しながら、鋭い切り替えでゴールに向かえるはず。そういった仕事は前田大然(セルティック)と重なるようにも映る。

 トップ、トップ下のいずれに入っても、西村が推進力とゴール前への厚みをもたらせる存在なのは事実。それだけのキレと鋭さが今の彼からは見て取れる。森保監督も「もっと使ってみたい」という気持ちにさせられたのではないか。

 このように幸先の良い一歩を踏み出した町野と西村。とはいえ、大舞台での経験が少なく、敵のレベルが上がった時にどこまでできるか未知数というマイナス面は否定できない。そんな2人にとって、最大の試金石になるのが、27日の韓国戦だろう。同じW杯出場国相手に、香港戦のような一挙手一投足を見せられれば、カタール行きの希望がかすかに見えてくるかもしれない。

「勝っている試合に出ているほうが良いアピールになる」と香港戦をテレビ解説していた元日本代表MFの松井大輔(YS横浜)も話したが、今の彼らは宿敵相手に強烈なパフォーマンスを示すことでしか、輝ける道をこじ開けられない。その立場をしっかりと自覚して、できることを一つひとつ確実にこなしていくことが肝要だ。
 
「自分としてはガツガツしているつもりなんですけど、そう見られていないってことは、もっとしないといけないと思う。しっかりガツガツ行きます」

 町野は、元日本代表監督の岡田武史氏がテレビ解説で話した「もっと我を出せ」という意見に対し、こう語気を強めた。その鼻息の荒さをもっともっとピッチで出していい。西村にしても同様だが、新戦力は「自分が序列を変えてやる」と全身全霊を込めて示さなければ、何も変わらない。積み重ねが重視される森保体制ではなおのことである。

 それをよく認識したうえで、彼らは残りのゲームで何ができるのか。既存FW陣と異なる強みを出せるのか。いずれにせよ、日本代表に新たなエッセンスをもたらすべく、ベストを尽くすことに集中してほしい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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