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【三浦泰年の情熱地泰】静学同級生の前で敗戦…悔しくて辛い、しかし笑いが舞った不思議な夜

カテゴリ:連載・コラム

三浦泰年

2022年07月05日

悔しい敗戦を仲間が忘れさせてくれると思いきや、トコトン分析され…

悔しい敗戦となったが、挽回の機会は残されている。後半戦へ向けて巻き返しを図りたい。写真:徳原隆元

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 副キャプテンの川村尊之は中学から同じで、本当の実力者だった。彼がいなければその時のチームは常勝にはなれなかった。彼は東芝の実業団でプレーして、清水エスパルスに誘われたが断った。

 もう1人は馬場芳浩。彼は法政へ進みANAの実業団でプレー。彼も中学から同じで優しい巨人だった。

 塩野真は金沢からサッカー留学して来た。クラスが同じであったが、グラウンド外のキャプテンのように明るい性格だった。

 中野直樹は皆、「ミーシャ」と呼んでいたが、彼は向島と同じくらい小さかったが、それでもセンターバックを務められるほど、凄くクレバーな選手だった。彼とは39年ぶりの再会であった。
 

 もう1人は岩崎武道(旧姓 浅原)彼は選手権で相手の先制点に絡んでしまった選手だったが、新人戦、インターハイでセンターフォワードを務めて得点を量産し、冬の選手権時はサイドバックを務めたポリバレントな選手だった。

 冗談で「お前らが来たから負けたんだ」から始まり、疲れるまで一緒にサッカーの話から昔の話まで……修学旅行で起きた事件の真相を明かしながら、忘れられない数時間前の悔しい敗戦を忘れさせてくれると思いきや試合分析をトコトンされた。静岡の人たちは本当にサッカーのことになると凄い勢いで意見を言う。

 そんな日は本当に久しぶりだ……。

 先制点を奪われて動揺し、その試合の修正が効かなくなる。微妙な判定もあったからだ。

 静岡学園時代に、40年も前に起こったことと似たような奈良戦でのシーン。オフサイドの旗が上がった判定がそのままゴールとなり、難しい試合展開になっていった……。もちろんフラッシュバックのように思い出されるシーンだ。

 選手権の静岡代表を決める試合と、JFL第14節で行なわれた試合がオーバーラップして、見に来た彼らに昔のほろ苦い場面を思い出させた。

 同級生たちが見に来ていることは、試合中は忘れていた。19時に近所の焼肉屋で待ち合わせ、乾杯の音頭。乾杯(完敗)はサッカーの世界では御法度(ごはっと)だから、発声は「ゴール」でお願いします。とスタートさせ、じゃあ帰るわ!まで

「勝利を見せたかった」とずっと思っていた。

 39年ぶりに会うにはピッタリな嫌、皮肉な試合だった。同級生は皆、あの頃よりも老けていた……。でも、心はそのまま純粋なサッカー小僧。

 彼らは「また来る」と言って帰った。

 次は必ず勝利を見せたい。それか正直に「もう見に来ないでくれ!」と頼むか……。

 彼らの前で良いサッカーが出来なかった。悔しい辛い夜に、しかし笑いが舞った。そんな変わった夜だった――。

2022年7月5日
三浦泰年
 
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