• トップ
  • ニュース一覧
  • 【バイタルエリアの仕事人】Vol.17 パトリック|日本人とブラジル人で異なる“前への意識”。個々の判断と実践のススメ

【バイタルエリアの仕事人】Vol.17 パトリック|日本人とブラジル人で異なる“前への意識”。個々の判断と実践のススメ

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2022年06月25日

日本では決められた戦術を優先する傾向が

チームで定められたルールは尊重する。一方で、状況に応じて必要なプレーを自分で判断し、行動に移すことも必要だと考えている。写真:田中研治

画像を見る

 得点の機会を生み出せるバイタルエリアで、パトリックは日本人選手の“前への意識”に、少なからず物足りなさを感じているようだ。失敗を回避するため、丁寧にやろうとしすぎているのか。日本人選手のマインドは、思い切ったチャレンジよりも、なるべくセーフティに、といったところか。パトリックはどのように推察しているのだろうか。

――◆――◆――

 慎重に物事を進めようとしているとして、でもそれが日本人の良いところでもあり、真面目さの象徴でもあるのかなと思います。チームとしてやるべきこと、遂行しなければならない戦術があって、そのルールの中で一人ひとりの動きが決まっていて、与えられた役割はきっちりとこなすことができる。

 もちろん、守るべきベースは大事です。でも、たとえリスクがあったとしても、状況やその時の場面に応じて、自分で判断して、ある意味、ルールにはない選択をしたほうがいいシチュエーションでも、日本では決められた戦術を優先する傾向があるように感じます。

 その意味で、ブラジル人を含めた海外の選手たちは、監督から指示は出ていないけど、ゲームの状況によって、自分の判断でポジションを変えたりして、ピッチ上の事象に対応していきます。相手がマンツーマンでついてきた時に、チームとしてパスで打開するなど対処法があらかじめ決まっていたとしても、ここで抜ければ大きなチャンスになると判断すれば、ドリブルで仕掛けてみるとか。
 
 オーバーな話をすれば、たとえば、左サイドから攻撃を仕掛けているとして、右サイドに目を移すと、右SBの選手が攻め上がっていってペナの中に入っていけば、フリーでパスを受けられて、シュートを打てる状況だったとします。

 でも、おそらく日本人選手は、「相手のカウンターに備えろ」という指示が出ていれば、ビッグチャンスになる場面でも、ペナには入ってこないのではないでしょうか。一方、ブラジル人選手は、戦術うんぬんより、“得点できる”という自分の考えを優先して、攻撃に出ていくでしょう。

 リスクを取るか、勝負してみるか。戦術はありながらも、日本人選手にはもっと試合の中で個々が判断して、行動に移してもいいと思います。
 
【関連記事】
【バイタルエリアの仕事人】Vol.17 パトリック|ボランチとの距離感に気配り。攻守の両局面で効率的にプレーできるように
【バイタルエリアの仕事人】vol.10 小野伸二|「僕を目指してはだめ」黄金世代の“天才”が子供たちに伝えたい“努力”の重要性
【バイタルエリアの仕事人】vol.1 遠藤保仁|日本を代表する司令塔は攻守の重要局面で何を見ているのか?
【バイタルエリアの仕事人】vol.3 柿谷曜一朗|ナニワの天才が語る最重要エリアの魅力。手本にしている選手は…
【バイタルエリアの仕事人】Vol.14 青山敏弘|「もう一度Jリーグで勝負できる選手に…」プロ19年目のワンクラブマンを支えた武器と恩師の教え

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ