• トップ
  • ニュース一覧
  • インサイドハーフに新たな選択肢。「柴崎&久保」のコンビは森保ジャパンに何をもたらすか

インサイドハーフに新たな選択肢。「柴崎&久保」のコンビは森保ジャパンに何をもたらすか

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年06月11日

「ここ一番でどうしてもゴールが欲しい」時のオプションとして有効

久保は柴崎の意図をくみ取ってプレーすることで、新しいオプションを提示した。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

画像を見る

 ただ、「この試合だけでは何とも言えない」と柴崎自身が自己評価を躊躇した通り、この形でカタール・ワールドカップ(W杯)本番で対峙するドイツやスペインと互角にやれるという保証はない。

 より中盤で保持率を上げながらセーフティにゲームを運びたいと思うなら、守田&田中コンビのほうがいいだろうし、強度を維持しながら推進力と創造性をプラスしたいなら、鎌田大地(フランクフルト)と原口元気(ウニオン・ベルリン)の組み合わせのほうがベターだろう。

 柴崎&久保コンビが今の代表にもたらせるものがあるとしたら、柴崎の配球やパスセンスによって、久保や他のアタッカー陣をより生かせる可能性が広がることではないか。守備の強度という部分ではやや低下する恐れもあるが、「ここ一番でどうしてもゴールが欲しい」という時のオプションとしては有効になるだろう。

「いろんな人との組み合わせで、11人全員の良さが出るチーム構成がベスト。選手のスタイル、プレースタイルや特徴を補完し合う関係性や動き方を磨いていけば、今回の3人だけでなく、いろんな使い方ができる部分がある」と柴崎も発言。多種多彩なバリエーションを用意しておくことで、苦境に陥った時、活路を見出す道筋は確かに作りやすい。

 6月シリーズにおけるここまでの3試合のインサイドハーフの構成を振り返ると、パラグアイ戦では鎌田&原口、鎌田&田中、ブラジル戦では田中&原口、鎌田&田中、そして今回の柴崎&久保と5つの組み合わせにトライ。森保監督もそれぞれのメリット・デメリットを改めて再確認したはずだ。
 
 そのうえで、本番の対戦相手の検証を重ね、今後の彼らのコンディションやパフォーマンスを見極め、最終的に誰を残すかを決めていくことになるが、柴崎と久保にとっては「自分が何をすべきか」をハッキリさせられたという意味で、ガーナ戦は収穫が大きかったと言っていい。

 2019年6月の代表デビューから“代表初ゴール”という壁を超えられずに苦しんだ久保が、丸3年を経てついにハードルを超え、昨年10月のサウジアラビア戦で致命的なミスを犯した柴崎が自らの歩む道を見出した。それも前向きに受け止めていいだろう。

 実際、柴崎は4年前の2018年ロシアW杯で、直前までスタメン入りしていなかったにもかかわらず、本番で驚異的なパフォーマンスを披露。日本のベスト16入りの立役者になったという確固たる実績がある。本番の集中力の出し方を熟知しているのは、森保監督も心強く思っているはず。その布石を打っただけに、今後の巻き返しのチャンスは広がっただろう。

 6月シリーズは、残すところ14日のチュニジア戦だけになったが、インサイドハーフ争いを含めて中盤の構成は混とんとしてきた。ここから誰が本番の定位置をつかむのか。絶対的存在の遠藤以外は流動的と言えるだけに、今後の動向をしっかりとチェックしていきたいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

【PHOTO】ついにA代表初ゴール!ピッチを縦横無尽に駆け回り存在感を発揮した久保建英!

【PHOTO】ノエビアスタジアム神戸に駆けつけた日本代表サポーターを特集!

【キリンカップPHOTO】日本4ー1ガーナ|久保&前田がA代表初ゴール!4発快勝でチュニジアの待つ決勝の舞台へ
【関連記事】
森保Jに大敗のパラグアイ、韓国戦はATに追いつかれるもドロー。指揮官が“日本戦”との違いに本音!「どちらが強いという以前に…」
【セルジオ越後】久保の初得点も騒ぐことじゃない。普通は代表に呼ばれないレベル。W杯のレギュラーまで道はまだ遠いよ
久保は「入らない可能性も」城彰二がガーナ戦を踏まえ森保JのW杯メンバー当落を予想! “当確”の太鼓判を押したのは?
「臆病でラフな日本と勇敢な韓国」ブラジル人記者が明かした“日韓の違い”。「どちらが得るものが多かったかは明白だ」
森保采配に疑問。なぜガーナ戦でシュミットではなく川島を先発させたのか

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ