• トップ
  • ニュース一覧
  • 【采配検証】勝利を掴み取る策が見えなかったブラジル戦。森保監督には確実な前進を見込める指針を掲げて欲しい

【采配検証】勝利を掴み取る策が見えなかったブラジル戦。森保監督には確実な前進を見込める指針を掲げて欲しい

カテゴリ:日本代表

加部 究

2022年06月07日

「勇敢に」「チャレンジャー精神を持って」と強調する一方…

三笘も「まだまだ圧倒的な差がある」とコメント。個々の力量の違いが浮き彫りとなった。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

画像を見る

 森保一監督は「過去最高のベスト8」と繰り返すが、結果を得るための最善策と、日本代表の最高のパフォーマンスを引き出す術には、齟齬(そご)が生じる可能性がある。ブラジル戦も、引き分ける可能性はあったとしても勝利を掴み取るための策は見えてこなかった。

 例えば遠藤は「後半は完全に引いた方が相手も崩し難くて嫌だと思った」と振り返りながら、「前から行くのは難しいという感覚で、行くならもっとマンツーマン気味で(プレスをかける相手を)はっきりしないと」と語っている。

 亡くなった元日本代表監督のイビチャ・オシム氏は、よく「弱者の論理」という言葉を用いて「主役はチームだ」と話していた。世界の趨勢(すうせい)をわきまえ、そのうえで機先を制し、相手を驚かせるアイデアを追求し続けた。だが森保監督は常々「勇敢に」「チャレンジャー精神を持って」と強調しながら、選手たちが躊躇なくそれを表現できるチーム作りが立ち遅れている。
 
 試合後に吉田が後方からのビルドアップについて「今日トライしなければ本番では全然できない」と言及したが、逆にそれをこの時期に「トライ」しているようでは4年間という長期政権を託し、しかも多くの試合を固定メンバーで戦ってきた意味が薄れる。

 もちろんW杯は結果が重要で、結果が出てこそサッカー人気が盛り上がるという真実もある。ただし反面、「奇跡の勝利」が劇的な前進に繋がらないことは歴史が証明しており、結果を出すのが難しい大会だからこそ次代への有益なヒントを残すことこそが大義になるはずだ。

 ブラジル戦は勝点1を残すには効果的な策に映るかもしれないが、開始早々2分のポストに当たったルーカス・パケタのシュートが、何センチかずれて入っていればゴールが雪崩になっていた可能性もある。

 カタールW杯を終えても、日本が世界を追いかけていく立場なのは変わらない。森保監督には、きまぐれな勝敗や数値ではなく、確実な前進を見込める指針を掲げて欲しい。

取材・文●加部 究(スポーツライター)

【PHOTO】日本0ー1ブラジル|粘り強い守備でブラジルに善戦するも…ネイマールの一発で惜敗…!

【PHOTO】国立競技場に駆けつけた日本代表サポーターを特集!

【PHOTO】踊るようなドリブルで国立を沸かせた!決勝ゴールを決めたネイマールを大特集!
 
【関連記事】
【セルジオ越後】せっかくのブラジル戦、もったいないことをしたね。“負けないためのサッカー”では世界じゃ勝てないよ
「日本戦は寝そうになった」元柏のブラジル代表OBカレッカに、セレソンと対戦した“日韓の違い”を訊く!「韓国はとても軽快で…」【現地発】
「日本人歌手による斬新な解釈だ」ブラジル国歌斉唱シーンが地元ファンに大反響!「カワイイ歌に聞こえた」
日本サポーターの振る舞いをブラジル人記者が称賛! 「大型スクリーンに表示されると…」
「なんという恥だ」森保Jに辛勝のブラジル代表に辛辣批判!「ネイマールはPKしか決めないじゃないか」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ