トップとアカデミーを同じサッカーで結んだことで情報の共有が図りやすく。
例えば、今年7月にドイツ・ブンデスリーガのHSVに加入した伊藤達哉は、柏のアカデミー出身にしては珍しいドリブラータイプの選手だった。
だが、彼はドリブラーにありがちな「ボールを持ちすぎてリズムを壊す」ことはなく、戦術のなかでどう自分の特長を活かすかを考えてプレーしていたため、柏のパスをつなぐスタイルのなかで、そのドリブルは絶大な効果を持つアクセントとなっていた。
また、伊藤だけでなく、柏のトップチームに昇格できなかった選手が他のJクラブはもとより、東欧、オーストラリア、ニュージーランドなど海外のクラブでプロサッカー選手になった例は数多い。
目先の強化策ではなく、アカデミーを強化することで、それを将来のトップチームの強化へつなげる。そんな信念を抱き、吉田監督と育成のスタッフたちは着実に組織を作り上げてきた。育成組織が充実したことによって、数年前から育成を基軸に強化方針を打ち出したクラブにとっては、今回の吉田監督のトップチーム監督就任は必然ともいえる流れだった。
さらに今季の柏は第1ステージでは吉田監督の目指すサッカーが思うように浸透せず、下位に低迷したのだが、トップチームとアカデミーが一貫化され、同じサッカーで結ばれたことは、さらに柏の選手育成を促進させることになるかもしれない。
というのも、もちろん低迷を引き起こした問題点はトップチーム自身が改善していくものであるが、一方でプロのステージではどのような問題点が浮き彫りになるのかが明確になったため、情報を共有してアカデミーのトレーニングに還元し、問題をクリアする技術・戦術の獲得、意識付けなどが早い時点で可能になった。そういった意味でも、今後の柏の育成はますます活性化していくだろう。
柏は、第2ステージに入ると吉田監督のサッカーが浸透し始め、現時点で首位の鹿島に勝点1差の3位につけ、アジア・チャンピオンズ・リーグでもベスト8まで勝ち進んでいる。吉田監督就任1年目にして、育成ベースの強化の成果は早くも表われつつある。
取材・文:鈴木 潤(フリージャーナリスト)
だが、彼はドリブラーにありがちな「ボールを持ちすぎてリズムを壊す」ことはなく、戦術のなかでどう自分の特長を活かすかを考えてプレーしていたため、柏のパスをつなぐスタイルのなかで、そのドリブルは絶大な効果を持つアクセントとなっていた。
また、伊藤だけでなく、柏のトップチームに昇格できなかった選手が他のJクラブはもとより、東欧、オーストラリア、ニュージーランドなど海外のクラブでプロサッカー選手になった例は数多い。
目先の強化策ではなく、アカデミーを強化することで、それを将来のトップチームの強化へつなげる。そんな信念を抱き、吉田監督と育成のスタッフたちは着実に組織を作り上げてきた。育成組織が充実したことによって、数年前から育成を基軸に強化方針を打ち出したクラブにとっては、今回の吉田監督のトップチーム監督就任は必然ともいえる流れだった。
さらに今季の柏は第1ステージでは吉田監督の目指すサッカーが思うように浸透せず、下位に低迷したのだが、トップチームとアカデミーが一貫化され、同じサッカーで結ばれたことは、さらに柏の選手育成を促進させることになるかもしれない。
というのも、もちろん低迷を引き起こした問題点はトップチーム自身が改善していくものであるが、一方でプロのステージではどのような問題点が浮き彫りになるのかが明確になったため、情報を共有してアカデミーのトレーニングに還元し、問題をクリアする技術・戦術の獲得、意識付けなどが早い時点で可能になった。そういった意味でも、今後の柏の育成はますます活性化していくだろう。
柏は、第2ステージに入ると吉田監督のサッカーが浸透し始め、現時点で首位の鹿島に勝点1差の3位につけ、アジア・チャンピオンズ・リーグでもベスト8まで勝ち進んでいる。吉田監督就任1年目にして、育成ベースの強化の成果は早くも表われつつある。
取材・文:鈴木 潤(フリージャーナリスト)