『南葛SC』によって生み出されるシナジー効果【南葛SC×KLab 対談・後編】

カテゴリ:連載・コラム

伊藤 亮

2022年05月30日

「翼くんたちが活躍した南葛SCのストーリーとシンクロするようになってほしいなと」(藤好)

リアル南葛SCがキャプテン翼のストーリーを追い越せるように――そんな願いも語り合った。写真:滝川敏之

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藤好 今後は南葛SCというサッカーチームを軸に、地域に根付きながら、どう子どもたちと向き合っていくかということも考えたいです。僕らがサッカー教室で何かをやれるか?といっても、できることは限られてしまいます。それよりもゲーム会社ならではの、自分たちにしかできないイベントにできないかと。例えば南葛SCの試合を観に来る子どもたちが全員、スポーツが得意なわけではありませんよね。であれば、プログラミング体験ができたり、開発チームのアーティストが同行して『キャプテン翼』の似顔絵加工体験ができたり。塗り絵をデジタル着彩で体験してみるとか、3Dに自分の顔を投影させて必殺技をうてるとか。これはまだアイディア段階の話ですが、我々の得意とするところで、地域貢献やチーム活動にフィットするものをテストして、受け入れられるものを探していってみたいです。

岩本 プログラミング体験とかおもしろそうですね。たしかにいろんなことをテストしてみて、うまくハマった企画を定期的に行っていくというのはいいと思います。

藤好 こちらで決め込んだものを提供してうまくいかなかった場合、二回目以降のハードルが上がってしまうので、あえて試してみて、実際に声を聞いて次の施策を考えていく。これは僕らがゲーム制作で実際にやっていることなんです。デジタルサイネージを置いて、キャラクターや選手といっしょに写真が撮れたりだとか。

岩本 普通にデジタルで着彩した塗り絵をプリントアウトして描いた子どもたちにあげたらすごく喜びそうです。
 対談の合間にも次々とアイディアが出てくる。互いのフィールドを分かり合っている信頼関係が透けて見えてくるようだ。ちなみに藤好執行役員はラツィオのファンで、岩本GMはローマのファン。互いにローマを本拠とするライバル同士ながら、カルチョ好きな同志でもある。適度な緊張感と距離感が保たれつつ、指向が共有されている――とまとめると話が出来すぎか…。しかし今後の南葛SCの理想像を聞くと、あながち間違ってもいないようだ。


藤好 原作の『キャプテン翼』ではもう、小学生時代に所属した南葛SCが躍動する機会ってあまり描かれないと思います。それこそ大空大地(翼の弟)が活躍するくらいしかチャンスがないかと。では、どこでアクティブな南葛SCが見られるかといったら、リアルチームがどんどん成長していく様子なわけで。リアルな南葛SCには『キャプテン翼』で翼くんたちが活躍した南葛SCのストーリーとシンクロするようになってほしいなと。

岩本 よく言われるのが『キャプテン翼』で描かれている世界は、現実の日本サッカーの先を行っていたと。でも、ある時点で現実が追いつき、今や追い越そうとしているというような話がよくされます。海外でプレーする日本人選手が出てきたり、日本代表がワールドカップに出たりと。それと同じで、南葛SCも『キャプテン翼』の中のチーム像を追いかけて、いつか追い越してほしいですね。

藤好 もしそうなれば、みんなに知ってもらえる最高のきっかけになると思うんです。それこそ南葛SCをエンターテイメントのひとつとして、今後ゲームを媒体に、より情報発信していってもいいのでは。それこそ夢といいますか……でも、マンガで描かれているような南葛SCのような姿であってほしいというのが本当のところですね。

岩本 その領域まで到達する頃には、葛飾区にJリーグ基準の新スタジアムも完成していると思います。その際にはKLab株式会社さんにVIP用の部屋を買っていただいて。そこをゲームも遊べるラウンジのようにしていただければ。そうしたら最高ですね(笑)。

藤好 もしそうなったら、みんなずっとそこにいて仕事しますよ(笑)。
※このシリーズ了

■プロフィール■
岩本義弘

いわもと・よしひろ/1972年生まれ。南葛SC取締役ゼネラルマネージャー。『サッカーキング』編集長、(株)フロムワン社長などを経て現職。TSUBASA代表取締役、Webメディア『REAL SPORTS』編集長などを兼務する。

藤好俊
ふじよし・しゅん/1978年生まれ。KLab株式会社執行役員。2012年より現職。
KLabGamesの開発するタイトル全てにおいてエグゼクティブプロデューサーを務める。代表作『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』 ほか。 

取材・文●伊藤 亮
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『NEXT DREAM』について
KLabが提供するスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』のゲーム内で配信中の、作者の高橋陽一先生原案の新ストーリー。グランドジャンプ増刊『キャプテン翼マガジン』(集英社)で現在連載中の『キャプテン翼 ライジングサン』で描かれているマドリッドオリンピック後、おなじみのキャラクターたちがさらなる新天地で活躍する様子を、新キャラクターの登場とともに、ゲーム内で毎月新たなストーリーが公開されている。

『NEXT DREAM』特設サイト
https://www.tsubasa-dreamteam.com/next-dream/

<お知らせ>
 南葛SCをスポンサードするKLabが、今季もコラボレーションキャンペーンを開催中。南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、同社が運営するスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム ~』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。

 プレゼント内容は、南葛SCが勝利すれば「夢球×5」、勝利以外であれば、「コイン×28,300」となっている。さらに、勝利の際は「夢球×5」に加え、南葛SCが入れた得点分の夢球も配布される。南葛SCを応援して、アイテムをゲットしよう。 
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