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“指揮官” 澤登正朗の覚悟。新スタイル導入で清水エスパルスユースはどう生まれ変わるか

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2022年05月06日

課題の守備に改善傾向が見られたのも好材料

5節・大津戦は4-0の快勝。攻守ともに収穫を得るゲームとなった。写真:松尾祐希

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 そうしたスタンスで4月3日にU-18高円宮杯プレミアリーグWESTの開幕を迎えたものの、序盤は苦戦を余儀なくされた。東福岡との初戦で逆転負けを喫し、以降も攻守が思うように噛み合わないゲームの連続。攻撃的なスタイルが浸透して得点力の向上が見られた一方で、守備陣は失点過多に陥ってしまった。開幕4試合で1勝1分2敗と負けが先行し、9得点・10失点と攻守のバランスに苦しんだ。

 だが、5節の大津戦では攻守が噛み合い、4−0の快勝。最終ラインからCB後藤啓太(3年)、CB和田晃生(3年)が丁寧につなぎ、中盤の底に入ったMF太田成美(2年)、MF矢田龍之介(1年)も相手のボランチとFWの間に立ってボールを受ける。状況に応じて最終ラインのサポートにも入るなど、適時判断しながらボールを前線に届けた。

 サイドアタックと中央突破を首尾よく使い分け、カウンターも効果的だった。前半のうちにゴールを重ねた一方で、疲れが溜まった後半はペースダウン。足が止まり、守勢に回った。「結構やれているけど、疲労してくるとポジションを取れない。ただ立っているだけになってしまう」と澤登監督が振り返った通り、持続性は今後の課題だろう。

 それでも、去年の清水ユースとは一味違うと感じさせる内容で、カウンターだけではなく遅攻で仕掛けられる点は去年にはない武器。また、課題だった守備に改善傾向が見られたのも好材料だ。身体を張り続け、勝負にこだわる姿勢を貫いて、大津戦は今季初めて無失点でゲームを終えた。攻守ともに収穫を得るゲームとなったのは間違いない。
 
 戦術の浸透が深まれば、よりボールを動かすためにシステムの変更や偽SBなどにトライする構想を指揮官は持っている。育成年代でサッカー感を深められれば、次のステージで戸惑う場面も少なくなる。一歩間違えば戦術論だけが一人歩きする可能性もあるが、勝負にこだわる姿勢を持ったうえで落とし込んでいけば、そうした心配もないだろう。

「今年のエスパルスは強さと上手さを発揮したい」とは澤登監督の言葉。指揮官は選手たちに寄り添いながら、“新しいエスパルス”の土台を作っていく。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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