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ベトナム戦で露呈した『4-3-3』の難しさ。アピールしたい選手たちの個人プレーでバイタルエリアは“渋滞”

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2022年03月30日

“新スタンダード”になるかもしれないベトナム戦の采配

森保監督は61分に中盤3枚を総入れ替え。指揮官が意図したこととは? 写真:田中研治(サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影)

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 また、機能不全の理由はマネジメントも関わっている。

 前節のオーストラリア戦に2-0と勝利して、最終予選突破が決まったことで、ベトナム戦からW杯本大会のメンバー入りを目指す競争が始まった。その影響か、今回は個人プレーが多すぎた。一人ひとりがボールを持つ時間が長すぎる。

 三笘薫の縦への仕掛けは、サイドから幅を使って相手の守備を広げる意味で、組織的にも効果的だったが、そうではない意図のボール保持や仕掛けも目立った。[4-3-3]が機能せず、渋滞に終わったのは、連係不足やポジションの慣れだけでなく、個人プレーも大きな要因だった。

 森保一監督としても、これまで出場機会の少なかった選手をスタメンに並べ、新たな競争と、全員が主役としてチームに関わっていくメンタリティをふたたび植え付けたかったのかもしれないが、マネジメントの結果は芳しくなかった。
 
 それにしても疑問に思うのは、なぜ守田や田中を分けて起用しなかったのか、ということだ。彼ら2人は、61分に南野拓実とともに3人セットで同時投入され、中盤の原口、柴崎、久保と総入れ替えをすることになった。

 もし、守田と田中の起用が時間を制限しつつも“あり”ならば、せめてアンカーは、前半に守田、後半は田中とするだけでも、ゲーム内容は違ったはず。インサイドハーフで先発した原口や旗手らが、レギュラー組とともにどんなプレーを見せるのか、そのイメージも掴める。

 森保監督の中では、チームとして連係を取って戦う以上に、普段ベンチの選手をスタメンで出場させるマネジメントのほうが重要だった、ということだろうか。

 ただし、セットで代えたことに価値を見出せないわけではない。5人交代は正式なルールとして定着することが濃厚だ。今回の中盤3人総入れ替えは、いかにも親善試合風の交代ではあるが、今後はむしろスタンダードになる可能性がある。

 よく言われることだが、トレーニングはレギュラー組とサブ組に分かれて行なうことが多いため、サブ組にとって一番連係が取れている相手はサブ組、というケースはよくある。5人交代がサッカーのベースになるなら、たとえばフットサルのように、ファーストセット、セカンドセットで考え、たとえば守田と田中は2人セットで固定起用するアイデアも、今後はありだと思う。それがカタールW杯の新スタンダードになるかもしれない。

 まあ、そういう意図で今回の采配が行なわれたわけではなさそうだが、頭の片隅に入れておいてもいいと思う。

文●清水英斗(サッカーライター)

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