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ベトナム戦で露呈した『4-3-3』の難しさ。アピールしたい選手たちの個人プレーでバイタルエリアは“渋滞”

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2022年03月30日

前半のパフォーマンスを一言で表わすなら…

ベトナム戦でともに前へ出てしまったインサイドハーフの原口(左)と旗手(右)。バイタルエリアは渋滞状態に。写真:田中研治(サッカーダイジェスト/JMPA代表撮影)

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 カタールワールドカップ(W杯)アジア最終予選、前節のオーストラリア戦ですでに本大会出場を決めていた日本代表は3月29日、最終戦でベトナム代表と対戦し、1-1の引き分けに終わった。

 日本のシステムはいつも通りの[4-3-3]だったが、中盤と前線のメンバーが大きく変わった。これまで出場機会の少なかった上田綺世や旗手怜央がスタメンに名を連ねたほか、柴崎岳はアンカーで先発し、原口元気はインサイドハーフでスタメン出場。また久保建英は右ウイングで起用されるなど、見慣れない配置が多かった。

 前半のパフォーマンスを一言で表わすなら、“渋滞”だ。ベトナムの最終ラインと中盤の間に多くの選手が潜り込んだ。そのなかで右サイドから中へ入ろうとする久保と、前へ行こうとするインサイドハーフの原口や旗手、さらにアンカーのポジションからも前へ出てきてしまう柴崎らが動きを被らせた。

 その場所は相手の守備における急所、「バイタルエリア」と呼ばれるが、日本の攻撃は渋滞して詰まり、むしろベトナムのボールの奪いどころとなっていた。カウンターの起点を相手に多く作られ、日本にとっては逆バイタルエリアだった。
 
 思い出すのは、約7年前のことだ。当時、(2014年7月から2015年2月まで)日本代表を率いたハビエル・アギーレも、[4-3-3]を導入した。そのときインサイドハーフを務めていたのは香川真司と清武弘嗣だったが、清武は攻撃的に戦える[4-3-3]のメリットを認めつつも、自分が自分が、とバイタルエリアへ入ってくるチームメイトの様子を見て、「自分はどこにおればいいんかな」と少なからず戸惑いを見せていた。

 インサイドハーフは色々な選手と連係できるポジションだが、その反面、バランスを失うと、あらゆる選手に近すぎて、狭すぎて、スペースを失う。清武がその難しさをこぼしていたのが印象的だった。

[4-3-3]は初期の立ち位置で、ピッチを広くカバーできるバランスの良いシステムだ。それだけに、連係的な動きを出すのは難しい。わかりやすく空いているスペースがないため、無闇に動けば、すぐに誰かと被ってしまう。

 普段の中盤は、川崎フロンターレ出身の守田英正と田中碧、さらに東京五輪代表で田中とダブルボランチでコンビを組んだアンカー遠藤航の3人が、スムーズに場所を入れ替えながら戦っている。そのため忘れかけていたが、やはり中盤の連係は一朝一夕には上手くいかない。

 あの3人だからこそ、初めて[4-3-3]を実戦採用した昨年10月のホーム・オーストラリア戦でも、ある程度のパフォーマンスを出して、2-1と勝利できたのだと思い知ることになった。
 
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