左ウイングの三笘も平均点。もうちょっとやってもらわんと困る、と観ている人に思われたところはあると思う。でも攻撃の起点になれる部分は改めて証明していたんじゃないかな。

　三笘は簡単にボールを取られないし、仕掛ければ相手DFの先手を取れる。ベトナム戦のプレーを見ても、縦に行くのか、中に行くのか予測が難しくて、相手からしたら何をしてくるか分からない脅威となれる選手だね。

　彼は今回の最終予選２連戦で一番印象的なプレーヤーだった。ドリブルもできるし、周りも使えて、攻撃の選択肢が非常に多い選手だから、今後は日本代表の武器として、もっと成長してもらいたい。そのために、自チームでさらに出場機会を得て、結果を出し続けてほしい。
 

　同じくスタメンで起用された左SBの中山は、19分の失点シーンで、左CKから、ファーサイドで相手のマークを外してしまい、ネットを揺らされた。守備時のポジショニングの悪さを露呈した。

　ただ一方で、攻撃では素晴らしいパフォーマンスだったと思う。単純にサイドに張ってボールを引き出すのではなく、少し内側に入って、角度を付けて精度の高いパスを中盤や、前線の上田、ライン際に張っている左サイドの三笘に出していた。３つのパスの選択肢を常に持てる、見事なボールの持ち方をしていた。

　中山は攻撃の起点となってゲームをコントロールしていたし、ビルドアップで能力の高さが随所に見られた。W杯本大会で守備に追われることが多くなったとき、ディフェンスでは不安は残るけど、攻撃面ではいまの長友より上のレベルだと思う。

　ハーフタイムから途中出場した右サイドの伊東もやっぱりブレないで自分のプレーができるね。縦へのスピードは圧巻だし、この予選を通じて彼の貢献度がどれだけ高かったかをベトナム戦で改めて感じた。

　左の三笘も縦に突破できて、ボールキープできる。この２連戦では、伊東と三笘が両サイドにいたら、もっと面白い攻撃がたくさんできるんじゃないかという期待感を作ってくれたのが最大の収穫。過去の日本代表でこんな両サイドはなかったと思うので、すごく楽しみな２人だね。

【W杯アジア最終予選PHOTO】日本１-１ベトナム｜吉田麻也の一撃で同点に追いつくも…ベトナムの守備を崩しきれずドロー決着！

【PHOTO】埼玉スタジアムに駆けつけた日本代表＆ベトナム代表サポーター！