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外国人オーナーによるプレミアクラブ買収の先駆けとなったアブラモビッチ。あれほど愛されていたのに今では…【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2022年03月28日

3年足らずの間に、アブラモビッチはサッカービジネスに新たな未来を創造した

 その2003年から2006年までの間、アブラモビッチは4億2700万ユーロ(約534億円)を移籍マーケットに投下する一方で、売却によって得た利益は3800万ユーロ(約48億円)にとどまった。

 ジョゼ・モウリーニョ監督のもと、チェルシーはプレミアリーグ2連覇(04-05と05-06シーズン)を達成した。3年足らずの間に、アブラモビッチはサッカービジネスに新たな未来を創造した。その成功はその後の米国、アラブ、ロシア、東アジアの大富豪による、プレミアリーグのトップクラブの買収劇が繰り返される引き金となった。

 グレイザー家、ヘンリー家、クロエンケ家、ウスマノフ家、マンスール・ビン・サイード家はファンに歓迎された。資金の出所の不透明さや商取引のモラルを理由に反対に遭うことはなかった。
 
 サウジアラビア政権の実力者で、ニューカッスルの新オーナーであるムハンマド・ビン・サルマン皇太子のケースも同様で、ファンは彼の怪しげな評判を特に気にしている様子はない。チェルシー・ファンにとってアブラモビッチがそうだったように、彼らにとってビン・サルマンは最愛の恩人なのだ。
 
 2004年以降、タイの大富豪がオーナーを務めるレスターを筆頭に、外国人オーナーのクラブがプレミアリーグのタイトルを独占している。しかも特筆すべきは、彼らは一様にクラブを買収する前はサッカー界とは全く縁がなかった点だ。先駆者として道を切り拓き、途方もないチャンスが舞い込んでくる問答無用のビジネスの魅力を示したアブラモビッチもそうだった。

 お金は、尊敬という魔法を提供する。しかし事態が悪化し、サッカーがより高い利益への従属を強いられると、話は別だ。アブラモビッチの場合も同様だ。ロシアのウクライナ侵攻によって窮地に追い込まれると、20年間彼の“マッサージ”を買って出ていた人間が、今度はその苦難に喘ぐ姿を拡散するという憂き目を見るのである。

文●サンティアゴ・セグロラ
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事・インタビューを翻訳配信しています。
 
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