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外国人オーナーによるプレミアクラブ買収の先駆けとなったアブラモビッチ。あれほど愛されていたのに今では…【現地発】

カテゴリ:メガクラブ

エル・パイス紙

2022年03月28日

アブラモビッチの英国上陸はサッカー界の運命を変えた

2003年チェルシーを買収し、メガクラブへと変貌させるアブラモビッチ氏。(C)Getty Images

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 英国政府から制裁を科されたチェルシーは、ロマン・アブラモビッチの後ろ盾を受けずにシーズンを戦い続けている。チェルシーのファンにとってアブラモビッチは破産寸前に追い込まれたクラブを救った英雄だ。

 買収劇は起こったのは2003年、ロシアのオリガルヒが36歳の時だった。当時のアブラモビッチは巨額の資金を持つ無名の人間だった。突然出現した他の大物実業家と同様に、ソビエト連邦が崩壊するまで所有していた「ワイルドイースト」と命名された原材料の底なしの宝庫で富を築いた。

 国営企業が民営化されるや、その“戦利品”は最も野心的で素早く行動した者、とりわけ権力のネットワークと最も密接な関係にある者たちに晒されることになったのだ。アブラモビッチは、稲妻のように動いた。1996年には、当時の友人だったボリス・ベレゾフスキーとともに石油会社、シブネフチを購入した。

 さらに2005年、アブラモビッチはシブネフチの株式を、1999年にウラジーミル・プーチンが国有化したロシアの巨大エネルギー企業、ガスプロムに売却した。アブラモビッチがシブネフチ購入の際に支払った金額は1億ユーロ(125億円)。売却によって手にした金額は120億ユーロ(約1兆5000億円)だ。プーチンの出身地であるサンクトペテルブルクに拠点を置くガスプロムは、その後、ロシアの経済・ビジネスの牽引車となった。
 
 アブラモビッチの英国上陸は、チェルシー、そしてサッカー界の運命を変えた。彼が買収したのは、ロンドンの中心部にあるクラブ以上のものだった。それはファンの愛情だったり、社会的な名声だったり、プレミアリーグの貪欲な熱意だった。

 レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長とアブラモビッチのタンデムは、移籍市場におけるルールを変え、サッカーを今日の巨大産業に成長させた。2000年から2004年にかけて、マドリーはルイス・フィーゴ、ジネディーヌ・ジダン、ロナウド、デイビッド・ベッカムと契約し、ペレスが掲げる「一斧一松」戦略を遂行した。マドリーが歴史とブランド力を武器に有名選手をかき集めたのに対し、アブラモビッチは潤沢な資金力を活かして2003年から2006年までの間に25人の選手を獲得した。

 そのどれもが、マドリーが関心を持つに足る選手ではなかった。巨額の支出を背景に急速に台頭したチェルシーは、目先のタイトルの獲得が求められた。まだまだビッグネームが好んで行く目的地ではなかった。

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