「エネルギー」と「深み」を注入する選手交代
マドリーはこのシーンも含めてエムバペへのパス供給を絶つ方法論をチームとして持ち合わせていなかった。先制ゴールのようなシーンは想定外だった可能性もある。しかしマークの受け渡しで対応することもなく、そもそもディフェンスの人数が足りていなかった。
エムバペのような快足アタッカーは単に動きを予測してケアするだけでは十分とは言えず、常に密着した状態で封じ込む必要がある。ダニエル・カルバハルもエデル・ミリトンも、この守備のセオリーを理解していたとは言い難かった。
アンチェロッティは概して交代が遅い監督で、70~75分前までにカードを切ることを好まない。この1戦においてもハーフタイムの時点で決断していたはずの選手交代を10分間、保留した。交代を命じたクロースとマルコ・アセンシオを名指しするのを回避する狙いもあったのだろう。
エムバペのような快足アタッカーは単に動きを予測してケアするだけでは十分とは言えず、常に密着した状態で封じ込む必要がある。ダニエル・カルバハルもエデル・ミリトンも、この守備のセオリーを理解していたとは言い難かった。
アンチェロッティは概して交代が遅い監督で、70~75分前までにカードを切ることを好まない。この1戦においてもハーフタイムの時点で決断していたはずの選手交代を10分間、保留した。交代を命じたクロースとマルコ・アセンシオを名指しするのを回避する狙いもあったのだろう。
いずれにせよ、アンチェロッティがチームに欠けていたのがエネルギーと深みと判断したのは明らかだった。そのために注入したのがエドゥアルド・カマビンガのエネルギーであり、ロドリゴの縦への推進力とスピードであった。
効果はてき面で2人の投入で、ゴールに向かう直線性が高まるとともに、ハイプレスの強度が回復。そしてその流れの中で、カリム・ベンゼマがジャンルイジ・ドンナルンマに猛然と襲いかかり、相手のミスを誘った。
しかも、アンチェロッティが行なった軌道修正は、ただ単に選手を交代するだけではなかった。2人の投入と同時に中盤の構成を変更。アンカー(クロース)+左右のインテリオール(モドリッチとバルベルデ)から、バルベルデとカマビンガが組むダブルボランチ(2人は同じ高さに位置しないようにポジショニングを微調整し続けた)の前方にモドリッチを置く形に転換し、中盤トライアングルが反転する格好となった。
中でも大きな恩恵を受けたのがモドリッチで、それまでリトリートに奔走していたのが、守備面での負担が軽減されたことで、数メートル、相手ゴールに近づいてプレーすることが可能になった。
さらにアンチェロッティは第3の作戦として、左CBダビド・アラバと左サイドバック、ナチョのポジションを変更。この一戦でのミリトンは、エムバペと対峙するカルバハルをサポートしようという気持ちが強すぎる余り、右CBとしての自らの持ち場を離れがちだった。このポジションの入れ替えで、左サイドの攻撃を強化すると同時に、ナチョにはそのミリトンをケアする役割が与えられた。
【動画】モドリッチの圧巻ドリブル→絶品スルーパスでアシスト
効果はてき面で2人の投入で、ゴールに向かう直線性が高まるとともに、ハイプレスの強度が回復。そしてその流れの中で、カリム・ベンゼマがジャンルイジ・ドンナルンマに猛然と襲いかかり、相手のミスを誘った。
しかも、アンチェロッティが行なった軌道修正は、ただ単に選手を交代するだけではなかった。2人の投入と同時に中盤の構成を変更。アンカー(クロース)+左右のインテリオール(モドリッチとバルベルデ)から、バルベルデとカマビンガが組むダブルボランチ(2人は同じ高さに位置しないようにポジショニングを微調整し続けた)の前方にモドリッチを置く形に転換し、中盤トライアングルが反転する格好となった。
中でも大きな恩恵を受けたのがモドリッチで、それまでリトリートに奔走していたのが、守備面での負担が軽減されたことで、数メートル、相手ゴールに近づいてプレーすることが可能になった。
さらにアンチェロッティは第3の作戦として、左CBダビド・アラバと左サイドバック、ナチョのポジションを変更。この一戦でのミリトンは、エムバペと対峙するカルバハルをサポートしようという気持ちが強すぎる余り、右CBとしての自らの持ち場を離れがちだった。このポジションの入れ替えで、左サイドの攻撃を強化すると同時に、ナチョにはそのミリトンをケアする役割が与えられた。
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