DFに詰め寄り、激しいファウルに感情を高ぶらせる
新たなステージに戦いの舞台を移したカズは、この一戦で鈴鹿の選手として先発出場を果たす。3トップの中央のポジションを中心に前線を精力的に動き回り、65分の交代までチャンスメイクに奔走した。
年齢を考えれば現役選手としてピッチに立つことだけでも驚くべき事実である。55歳の選手に多くを望むのは酷というのも分かっている。さすがに鈴鹿の11番を背負ったカズは、全盛期のプレーと比較してしまうとスケールダウンしていることは否めなかった。相手守備陣のマークにてこずり、味方の強いパスにトラップミスをする場面も見られた。
それでもボールを持つ相手DFに向かって積極的に詰め寄り、激しいファウルに対して感情を高ぶらせたところなどは、どんなときでもサッカー選手として戦う姿勢を貫く、まさにプロフェッショナルの姿を体現していた。
思えば、これまでカメラのファインダーを通して、どれだけカズのプレーや表情を見てきただろうか。様々な場面でシャッターを切ってきたが、そのなかで印象に残るのはやはり笑顔のカズだ。この試合でもサポーターに向かって挨拶をするカズは充実感に包まれ、少年のような眩しいほどの笑顔を見せていた。
年齢を考えれば現役選手としてピッチに立つことだけでも驚くべき事実である。55歳の選手に多くを望むのは酷というのも分かっている。さすがに鈴鹿の11番を背負ったカズは、全盛期のプレーと比較してしまうとスケールダウンしていることは否めなかった。相手守備陣のマークにてこずり、味方の強いパスにトラップミスをする場面も見られた。
それでもボールを持つ相手DFに向かって積極的に詰め寄り、激しいファウルに対して感情を高ぶらせたところなどは、どんなときでもサッカー選手として戦う姿勢を貫く、まさにプロフェッショナルの姿を体現していた。
思えば、これまでカメラのファインダーを通して、どれだけカズのプレーや表情を見てきただろうか。様々な場面でシャッターを切ってきたが、そのなかで印象に残るのはやはり笑顔のカズだ。この試合でもサポーターに向かって挨拶をするカズは充実感に包まれ、少年のような眩しいほどの笑顔を見せていた。
カズはどうしてここまで戦えるのか。それは言うまでもなく、彼がサッカーをプレーすることが好きだからだろう。少年の頃、プロサッカー選手になりたいと抱き、単身ブラジルに渡ってその夢を実現させたカズ。低迷していた日本サッカー界に出現した黎明の微光は、やがて強烈な光彩を放ち、発展に大きく貢献していく。自分が牽引してきた世界で、いつまでも選手としてあり続けたい。そう思うのは当然のことなのかもしれない。
カズのサッカーへの情熱は80年代当時、日本人には到底、実現不可能と思われていたブラジルでプロサッカー選手になるという夢を追いかけていた頃と、いまでもなにも変わっていないのだ。年齢を重ね、肉体的な衰えを厳しい自己管理で乗り切り、戦う舞台を求め続ける永遠のサッカー少年の歩みはまだ止まりそうにない。
取材・文・写真●徳原隆元
【三浦知良PHOTO】新たなステージに挑戦するキングカズ
カズのサッカーへの情熱は80年代当時、日本人には到底、実現不可能と思われていたブラジルでプロサッカー選手になるという夢を追いかけていた頃と、いまでもなにも変わっていないのだ。年齢を重ね、肉体的な衰えを厳しい自己管理で乗り切り、戦う舞台を求め続ける永遠のサッカー少年の歩みはまだ止まりそうにない。
取材・文・写真●徳原隆元
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