ベルルスコーニがミランを手放す時――それはミラン復興の時。
新たな資本の入った新生ミランは、マーケティングの強化と拡大を狙っているが、その視野のなかには、もちろん日本市場も入っている。この場合、本田圭佑がいることは、とても大きな強みだろう。
マーケティングの専門家によると、これまでミランは、アジアでの知名度をほんの少ししか有効活用していないという。ミランのマーケティング売上の目標はとても強気で、年間3億5千万ユーロ。欧州のクラブで、まだこのレベルにたどり着いたチームはないし、近づいたことさえないという額だ。
ミスター・ビーはもちろん、このマーケティング部門も担っている。つい先日に行なわれた中国ツアーも、この地でのミラン人気を知るための、リサーチの役割を果たしていた。
ミランのマーケティング戦略の柱は2つ。ひとつは物販だ。それも、単にグッズを売るのではなく、オフィス、レストラン、博物館、チケットオフィスなども含む、「カーサ・ミラン」のような複合的ミランショップを世界各地に作ることを目指している。
第2の柱が、株の配当。18~24か月後には、香港やシンガポールといったアジアの株式市場に上場する予定である。もちろん株の値が上がるためには、チーム自体がイタリア、そして欧州のトップレベルに返り咲く必要がある。
ミスター・ビーのバックには、先にも言ったように中国政府がついており、ミランの躍進はそのまま、中国の「サッカー躍進計画」に繋がる。ミラン復活のため、中国系コングロマリットは莫大な財力を使ってくれるはずだ。
3~5年後にはミスター・ビーが筆頭株主となり、実質的なミランのオーナーとなるだろう。しかし、しばらくは現在の二頭体制が続くはずだ。
とにかくひとつ確かなのは、将来、ベルルスコーニが本当にミランを手放す日が来るとすれば、それはミランがチームとしても財政的にも、絶好調である時だろう。彼は負け犬としては、絶対に舞台を降りないはずだ。
来年の2月、ベルルスコーニがミランのオーナーとなって30周年を迎える。パートナーができたからといって、今後の彼が少し控えめになるとか、そんなことはまずありえないだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
マーケティングの専門家によると、これまでミランは、アジアでの知名度をほんの少ししか有効活用していないという。ミランのマーケティング売上の目標はとても強気で、年間3億5千万ユーロ。欧州のクラブで、まだこのレベルにたどり着いたチームはないし、近づいたことさえないという額だ。
ミスター・ビーはもちろん、このマーケティング部門も担っている。つい先日に行なわれた中国ツアーも、この地でのミラン人気を知るための、リサーチの役割を果たしていた。
ミランのマーケティング戦略の柱は2つ。ひとつは物販だ。それも、単にグッズを売るのではなく、オフィス、レストラン、博物館、チケットオフィスなども含む、「カーサ・ミラン」のような複合的ミランショップを世界各地に作ることを目指している。
第2の柱が、株の配当。18~24か月後には、香港やシンガポールといったアジアの株式市場に上場する予定である。もちろん株の値が上がるためには、チーム自体がイタリア、そして欧州のトップレベルに返り咲く必要がある。
ミスター・ビーのバックには、先にも言ったように中国政府がついており、ミランの躍進はそのまま、中国の「サッカー躍進計画」に繋がる。ミラン復活のため、中国系コングロマリットは莫大な財力を使ってくれるはずだ。
3~5年後にはミスター・ビーが筆頭株主となり、実質的なミランのオーナーとなるだろう。しかし、しばらくは現在の二頭体制が続くはずだ。
とにかくひとつ確かなのは、将来、ベルルスコーニが本当にミランを手放す日が来るとすれば、それはミランがチームとしても財政的にも、絶好調である時だろう。彼は負け犬としては、絶対に舞台を降りないはずだ。
来年の2月、ベルルスコーニがミランのオーナーとなって30周年を迎える。パートナーができたからといって、今後の彼が少し控えめになるとか、そんなことはまずありえないだろう。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト)
協力・翻訳:利根川晶子
Marco PASOTTO/Gazzetta dello Sport
マルコ・パソット
1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。