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選手権優勝から3年…青森山田「炎のストライカー」の現在地。感動を覚えるほどの熱き魂は全く変わっていなかった!

カテゴリ:大学

安藤隆人

2022年03月07日

アピールは正直できなかった。それでも彼は落ち込むことなくピッチ上で仲間のために声を張り続けた

プレーオフで優勝した東海選抜は、本戦へ臨む。果たして、スカウト陣へアピールなるか。写真:安藤隆人

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「去年も選んでもらって、Jクラブのスカウトの人たちがたくさん来ているのを見て絶対にアピールしなきゃいけなかったのに、関東選抜に完膚なきまでに叩きのめされた。それが本当に悔しかったし、実際に対戦した関東選抜の人たちのほとんどがプロに行った。それを目の当たりにして、この大会が俺の全てだと思って臨みました。正直、東海学生リーグはなかなか多くの人に見に来てもらえない。ならばスカウトが一堂に会するこのデンチャレが最大のチャンスだと」
 
 実際にプレーオフには30人近いスカウトがネット越しから熱視線を送っていた。無観客試合ゆえに、スカウトと報道陣以外は誰もいない環境下で、選手たちは「将来が決まるかもしれない」というある意味異様な雰囲気を感じながらプレーをしていた。小松もその1人だった。

 しかし、前述したように満足のいくプレーはできなかった。続く四国選抜戦でも大量7ゴールをチームは奪ったが、57分に投入された小松は必死でゴールに迫るもキレはなく、ノーゴールで終わった。北海道選抜との決勝では88分に投入され、わずかなプレー時間に終わった。

 アピールは正直できなかった。それでも彼は落ち込むことなくピッチ上で仲間のために声を張り続けた。その姿勢は見ていても感動を覚えたほどだ。

「キャプテンであろうがなかろうが、常にチームを鼓舞することは変わりません。僕は結果を出せなかったけど、それでも前を向いて最後までチームを鼓舞し続けないといけないし、チームのために全力を尽くさないといけない。個人的な感情はあっても、そもそもチームが勝たなければ、負けっ放しのチームからプロのスカウトが選んでくれるはずがない。自分のプレーができなくても、チームのためにやれることをやる、戦って勝利に貢献する。それが大事だと思っています」

 彼の言葉通り、東海選抜は優勝したことで本戦への出場権を手にすることができた。これで関東A選抜やB選抜、九州選抜や関西選抜などと試合をするチャンスを掴んだ。ここで『炎のストライカー』としての本領を発揮するために。小松はさらに闘志剥き出しにピッチの上に立つ。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
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