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【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|成長と勝利を求めるなら「教える」ことを恐れてはいけない

カテゴリ:特集

サッカーダイジェスト編集部

2015年08月04日

「教え過ぎ」を恐れて見ているだけではなにも変わらない。

日本では「教え過ぎ」は良くないとされるが、三浦氏は手をこまねいて見ているくらいなら「教える」勇気を持つべきと語る。

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 しかし裏を返せば、サッカー本来の原点のような部分も感じるのだ。
 
 例えばブラジルの海岸や公園のような雰囲気。知らない者同士が集まって、自然と2チームに別れ試合が始まる。俗に言うストリートサッカーだ。
 
 サッカーを見よう見まねで楽しんで熱くなる。教わったわけではないが、好きな選手の真似をしてサッカーを楽しむ。エンジョイするのだ。
 
 タイの子どもたちを見てそう感じた。コーチはいるが、彼らを成長させるとか指導するという感覚はない。それよりはプールサイドの監視員と同じだ。溺れそうな人を助けたり、危険のないように見ているだけで、泳ぎを教えることはしない。
 
 そんな楽しむことが好きな、そして楽しむことしか知らないタイのサッカー少年に、もうひとつレベルアップできるようなヒントを与えられたらと思っていた。
 
 クリニックは8月5日まで頼まれている。彼らに基本技術、「つまらない」練習の大切さと、楽しむことだけでなく考えながら仲間と協力してやるサッカーという2つの視点から、サッカーを好きになってもらえるように考えている。
 
ここで一言
「日本のサッカーは教え過ぎだ!」
 
 よくサッカー少年を指導するなかで、「教え過ぎ」だという人がいる。実際その通りであろう。しかし誰かが教えることで、もっと成長できるのであれば勇気を出して教えるべきだと思う。
 
 よくオシムさんが「リスクを冒せ!」と選手たちに言った。今の指導者にも「リスクを冒す」勇気が必要だ。選手もチームも現状維持を捨て、より強く、より成長し、勝利を掴み取るためには、「教え過ぎ」を恐れて見ているだけではなにも変わらない。
 
 タイのサッカーが変わるためには、「教える」ことも必要だ。そうでなければ、日本にはいつまで経っても勝てないだろう。
 
 そしておそらく日本も、「教える」ことを恐れてはドイツ、ブラジルにはいつまで経っても勝てない……。タイのサッカー少年に触れて感じたことである。
 
2015年8月4日
三浦泰年
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