サポーターにも「試合内容が面白くなった」と言ってもらえた
――それから2年後の昨年12月、YouTubeの『岡田メソッドTV』が開設されました。これによって、より広く、オープンに触れられるようになったわけです。
「書籍を出版したときの反響も大きかったのですが、僕たちは原則をマスターするための年代別のトレーニング方法も作っているんです。それも知りたいという声をたくさんいただいて」
「書籍を出版したときの反響も大きかったのですが、僕たちは原則をマスターするための年代別のトレーニング方法も作っているんです。それも知りたいという声をたくさんいただいて」
――書籍には、具体的なトレーニング方法までは詳しくは含まれていませんからね。
「最初はサブスクリプション的に、有料の会員制でやろうかという話も出ました。でも、もともと日本のサッカーを強くする目的でやっているのだから、ここは一度、オープンにしていいんじゃないかということで、トレーニング方法を含めてYouTubeを始めたんです。いろいろな人の声を取り込みながらブラッシュアップしていくことで、より良いものになれば、それでいいじゃないか、と」
――『岡田メソッドTV』は5分から10分くらいの動画を週に1~2本更新し、およそ100回を想定されています。
「やり始めて実感したのですが、YouTubeだと15分くらいの動画はちょっと長いんですよね。そうなると、練習メニューまで含めると100回では終わりそうにない。150回を超えるんじゃないかな。
戦術的な部分に踏み込む専門原則の練習メニューまでとなると、あまりにもわれわれの核心部分になってしまうので、そこは出せないです。それでも、一般原則の練習メニューを5分くらいにまとめるだけでも回数は増えるでしょう」
――FC今治トップチームの橋川和晃監督が進行役を務めるところも『岡田メソッドTV』の特徴です。橋川監督は昨年9月、布啓一郎前監督の後任としてトップチームの監督に就任しましたが、それまではアカデミーメソッドグループ長でした。16歳までにプレーモデルを落とし込み、自立した選手を育てたい岡田メソッドについて、クラブの中で最も精通した中心人物だったわけです。
「これまでトップチームは外部から監督を呼んできましたが、去年、1年に2回監督を変えるという荒業をやった(5月にリュイス・プラナグマ監督に代わり布監督が就任、9月に布監督に代わり橋川監督が就任)。『そんなことをするのは、ヴィッセルの三木谷浩史会長か岡田くらいだ』と言われますよ。
なぜ、それをやったかというと、監督が新たに来るたびに違う考えでやっていると、何も積み上げられないし、残っていかないんだということに改めて気づいたからなんです。監督には、それぞれポリシーや考え方があります。僕も簡単には口を挟めないところがある。
そうこうするうちに、岡田メソッドは大人にも効果がありそうだというエビデンスが、中国でも出始めたんです。だったら育成を含め、岡田メソッドを知っているコーチの集団指導体制にしてみてはどうだろうと考えた。育成の監督がトップの監督になり、トップの監督が育成の監督になる。僕も仲間のひとりとして議論に参加できます。そういうことができるのは、日本で唯一、うちだけじゃないかな。
それで去年、2度目の監督交代のときに橋川を監督にしたところ、成績が上向いたのもありますが、何より内容が劇的に良くなった。サポーターのみなさんにも『試合が面白くなった』と言っていただいたし、順位も下なのに来場者も増えました(昨季の今治の最終順位は15チーム中11位)。
じゃあ、新シーズンもこの体制で行こう、と。それで今シーズンも、橋川が引き続きトップチームの監督を務めることになりました。
今、選手たちは頭の中が大変だと思いますよ。ミーティングでもトレーニングでも、岡田メソッドを徹底的にたたき込まれているから(笑)」
「最初はサブスクリプション的に、有料の会員制でやろうかという話も出ました。でも、もともと日本のサッカーを強くする目的でやっているのだから、ここは一度、オープンにしていいんじゃないかということで、トレーニング方法を含めてYouTubeを始めたんです。いろいろな人の声を取り込みながらブラッシュアップしていくことで、より良いものになれば、それでいいじゃないか、と」
――『岡田メソッドTV』は5分から10分くらいの動画を週に1~2本更新し、およそ100回を想定されています。
「やり始めて実感したのですが、YouTubeだと15分くらいの動画はちょっと長いんですよね。そうなると、練習メニューまで含めると100回では終わりそうにない。150回を超えるんじゃないかな。
戦術的な部分に踏み込む専門原則の練習メニューまでとなると、あまりにもわれわれの核心部分になってしまうので、そこは出せないです。それでも、一般原則の練習メニューを5分くらいにまとめるだけでも回数は増えるでしょう」
――FC今治トップチームの橋川和晃監督が進行役を務めるところも『岡田メソッドTV』の特徴です。橋川監督は昨年9月、布啓一郎前監督の後任としてトップチームの監督に就任しましたが、それまではアカデミーメソッドグループ長でした。16歳までにプレーモデルを落とし込み、自立した選手を育てたい岡田メソッドについて、クラブの中で最も精通した中心人物だったわけです。
「これまでトップチームは外部から監督を呼んできましたが、去年、1年に2回監督を変えるという荒業をやった(5月にリュイス・プラナグマ監督に代わり布監督が就任、9月に布監督に代わり橋川監督が就任)。『そんなことをするのは、ヴィッセルの三木谷浩史会長か岡田くらいだ』と言われますよ。
なぜ、それをやったかというと、監督が新たに来るたびに違う考えでやっていると、何も積み上げられないし、残っていかないんだということに改めて気づいたからなんです。監督には、それぞれポリシーや考え方があります。僕も簡単には口を挟めないところがある。
そうこうするうちに、岡田メソッドは大人にも効果がありそうだというエビデンスが、中国でも出始めたんです。だったら育成を含め、岡田メソッドを知っているコーチの集団指導体制にしてみてはどうだろうと考えた。育成の監督がトップの監督になり、トップの監督が育成の監督になる。僕も仲間のひとりとして議論に参加できます。そういうことができるのは、日本で唯一、うちだけじゃないかな。
それで去年、2度目の監督交代のときに橋川を監督にしたところ、成績が上向いたのもありますが、何より内容が劇的に良くなった。サポーターのみなさんにも『試合が面白くなった』と言っていただいたし、順位も下なのに来場者も増えました(昨季の今治の最終順位は15チーム中11位)。
じゃあ、新シーズンもこの体制で行こう、と。それで今シーズンも、橋川が引き続きトップチームの監督を務めることになりました。
今、選手たちは頭の中が大変だと思いますよ。ミーティングでもトレーニングでも、岡田メソッドを徹底的にたたき込まれているから(笑)」