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「燃え尽きる一年になるかもしれない」元日本代表、橋本英郎はなぜ“おこしやす京都”を新天地に選んだのか

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2022年02月09日

舞い込んだオファーは驚きの「選手兼コーチ」

 新チームからのオファーは、本人も驚く「選手兼コーチ」だった。

 橋本にとってはかならずしもウェルカムな提示ではなかったが、クラブの意図と熱意を汲み取り、快諾した。今季から指揮官を務めるのは、コーチから昇格したエスマン・ムスタファ氏。元ガーナ代表MFで、現在42歳の橋本より4つも年下の新米監督だ。

「監督からは、選手としていままで経験したものをチームに還元してほしい、そしてコーチとしては練習メニューのところなどでも力になってほしいと言ってもらいました。でも、いまはまだイメージしかできないですね。若い選手が圧倒的に多いんで、どんどん相談してもらおうとは思っています。でも、彼らが選手として僕を見るのか、それともコーチとして見るのか、そこの帳尻合わせは難しいんだろうなとは覚悟しています」

 地域リーグからのJFL昇格は、容易いミッションではない。

 実際におこしやす京都はこの10年で4度、関西1部リーグを制しているが、全国地域サッカーチャンピオンズリーグの厚い壁を一度も打破できなかった。まずは各地域王者など12チームが3グループに分かれ、4チームに選抜される。そこから総当たりの「決勝リーグ」を戦い、上位2チームがJFL下位2クラブとの入れ替え戦に臨む。こちらは一発勝負で、引き分けの場合はJFLクラブが残留するという過酷なレギュレーションだ。

 橋本は「どれだけハードルを課すんかってくらい、むちゃくちゃ難しい。地決(全国地域サッカーチャンピオンズリーグ)は3日連続で試合をしてから、決勝リーグが中1日でまた3試合。まずなにより大前提で、関西1部で優勝しないといけませんからね」と苦笑するが、「だからこそ挑戦しがいがあるんです」と力を込める。
 

 かつてガンバ大阪ユースで共闘した同級生の稲本潤一と、日本代表でプレーした今野泰幸が時を同じくして、関東1部リーグの南葛SCに移籍した。全国地域サッカーチャンピオンズリーグで直接対決する可能性もあり、実現すればファンにとっては堪らない展開だろう。橋本は「楽しみですよね」と言いつつも、「関東のほうがレベルは高いと思いますけど、その代表チームが地決の最後のところで勝てるかどうかは、また別の世界みたいですから」と続けた。

 契約期間は1年。当然、引退の二文字を身近に感じながらのシーズンとなる。

「選手兼コーチですからね。めちゃくちゃエネルギーいりそうじゃないですか。監督が外国籍なので、どうコミュニケーションを取っていくのか。自分自身、コーチとしての能力を高めないといけない。もちろん、選手としてもコンディションとパフォーマンスを常に整えておく必要がある。いまはピッチ外でもさまざまな取り組みをしていますし、全部ひっくるめて、燃え尽きる一年になるかもしれない。最終的に昇格、という結果を出せたら、引退の良いタイミングになるかもしれないですよね。でももし僕自身のなかで乗り越えたと感じられたら、まだやりたいって思えるかもしれない。そこに関しては、いまはまだ分からないです」
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