【インタビュー】村井満 Jリーグチェアマン|ブーイングを浴びて得た確信

カテゴリ:Jリーグ

谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)

2015年07月25日

リーグが主導しながら、各クラブの公式サイトの基盤を共通化させたい。

優勝が決まった16節の神戸対浦和も地上波の中継はなし。第2ステージでも大幅に増えることはなさそうだ。(C) SOCCER DIGEST

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――2ステージ制の導入により2015年は10億円の増収を見込んでおり、それを育成とデジタル戦略に使いたいと話されていましたが、それは計画どおりに進んでいますか?
 
「育成に関しては、ヨーロッパでも採用されているベルギーのシステムを使った、育成組織の格付け制度の導入などに投じていきます。デジタル戦略は、まずはいわゆるメディアに関する露出のプラットフォームをきちんと作ろうという方向性をもって進めています。
 
 例えば昨年、川崎フロンターレの中村憲剛選手と大久保嘉人選手が、『キャプテン翼』の必殺技である「反動蹴速迅砲」を再現したのですが、その動画がYouTube上で1日で400万再生を記録したんです。こうした大きな拡散力を持つメディアやSNSの力をより効率的にどのクラブも活用しやすくするにはどうしたらよいか。各クラブ個々では投資しにくいデジタル分野のプラットフォーム作りをリーグが担い、共通化する。そうしたところに投資をする予定です。
 
 Jリーグの各クラブは、それぞれの社内にデジタルエンジニアやセキュリティのプロフェッショナルが常駐しているわけではありません。そうしたなかで、リーグが主導しながらプラットフォームを共通化し、各クラブのホームページで動画配信をしたり、チケットセールスの仕組みを導入したり、ユニホーム販売などのeコマース(電子商取引)ができるような共通の仕組みを整えれば、ビジネス全体を底上げすることができます。この件は現在、各クラブと協議を進めているところです」
 
――そうした施策に関して、理想像はあるのでしょうか?
 
「アメリカのメジャーリーグサッカー(MLS)が先進です。数十人のエンジニアをリーグが雇用して、様々なテクノロジーをどんどん投入し、デジタル分野と興行をダイレクトにつなげていますね」
 
――Jリーグの公式サイトに関しては、今季の開幕時にリニューアルされましたが、長年に渡ってJリーグを見てきたコアなファンからは『J’s GOAL』がなくなったこともあって、厳しい意見も相次ぎました。
 
「これも今回推し進めるデジタルプラットフォームへの切り替えの第一歩だったんですが、これまでの公式サイトはPC対応で、スマートフォンでは見られないなど構造的な欠陥がありました。またドメインも公式とファンサイトが別々でした。まずはひとつのプラットフォームに置き換えて、デジタル端末への適応性を高めるために、今回の移行に踏み切りました。
 
『J’s GOAL』には監督会見のコメントや細かなデータや企画、コミュニティ機能もありましたよね。そうしたコアなサポーターが期待している水準からすると、現在のサイトがまだその域へ届いていない部分があるのは事実です。ただ、セカンドステージに向けてコンテンツも改良中ですし、温泉長屋のようにサイトの構造が複雑になってしまっていたものをどこかで整理する必要もあります。今後はファン・サポーターの意見も集約しながら、コンテンツの部分でもしっかりと改善していきたいです」
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