【インタビュー】村井満 Jリーグチェアマン|ブーイングを浴びて得た確信

カテゴリ:Jリーグ

谷沢直也(サッカーダイジェスト編集長)

2015年07月25日

入場者数の増加は2ステージ制採用によるひとつの良い傾向と言える。

Jリーグの村井チェアマンが今季の第1ステージを総括。「2ステージ制」「デジタル戦略」「審判問題」などについて話を伺った。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 多くのサポーターから反対の意思を示されたながらも、「2ステージ制」が11年ぶりに復活し、早くも折り返し地点を迎えた。改革の旗手である村井チェアマンは、第1ステージをどのように見たのか。
 
 浦和の優勝セレモニーでは、サポーターからの痛烈なブーイングを浴びたが、それがむしろ、今季の検証と情報開示への決意を強くさせたという。
 
――◆――◆――
 
――まずは第1ステージの戦いを振り返って、チェアマンとしてどのような感想を持っていますか?
 
「浦和の無敗優勝は素晴らしい結果でした。データを見ても昨年比でショート、ミドル合わせて1秒間で73センチもパススピードが速くなり、スピード感のあるサッカーで最多得点も奪いました。ファーストステージを大いに盛り上げていただきました」
 
――11年ぶりに「2ステージ制」が復活し、優勝争いが繰り広げられた影響か、17節までのリーグ全体での入場者数は昨季に比べて増えています(本誌調べの下表を参照)。
 
「今、我々もいくつかの観点から分析をしているのですが、昇降格したクラブを除いた同一条件下で入場者数を比較すると、17節終了時点で昨年比約108パーセント。1万7000人台だった1試合平均入場者数は、1万9000人台まで上がってきている。これは2ステージ制にしたことが少なからず影響していると思います。
 
 また、Jリーグを全試合放送していただいているスカパー!の加入件数は、熱心なサポーターの動向を示す重要な指標として捉えておりますが、2013年、2014年はリーグが開幕する3月に加入件数が上がった後は、4月、5月と下降気味でした。しかし今年は3月、4月、5月と右肩上がりとなっています。ファーストステージが終わる6月末に向けて良い傾向となっています」
 
――2ステージ制を導入する際に期待していたとおり、1年間のなかで山場を3回作れる手応えがあると?
 
「まだファーストステージが終わっただけですからね。シーズン終了後に改めて総括する必要がありますが、今出ている数字は、もともと集客力の高かった浦和が無敗で首位を走った影響が大きかったのかもしれないし、FC東京は武藤選手の欧州移籍という話題性が影響したのかもしれません。すべてを正確に語れるものではないですが、現段階で見れば、当初想定していた枠の中で推移していると思います」
 
――メディアへの露出の点では、浦和の優勝が決まる可能性があった15節の清水戦、優勝が決まった16節の神戸戦とも地上波でのテレビ中継はありませんでした。ライト層を多く取り込むことを目指すなかで、この状況をどのように捉えていますか?
 
「新規のファンの方に観ていただくうえで、メディアを通じて気軽にサッカーに触れていただく機会を増やすことを当初から重視していましたが、それは『フルマッチ映像』だけでなく様々な番組へ露出することでJリーグに接する入口を増やすということも含みます。ステージ終盤の3試合の、地上波テレビにおけるJ1の露出を昨年と今年で比較したところ、ニュースなどのダイジェスト映像を含めて計測すると、昨年の約2.3倍になっていました。新聞も記事の件数で昨年比で18パーセント増えています。そういう意味では、Jリーグを知ってもらうということに関しては、より多くの人に届けることができたと言えます」
 
――しかしそれでも、地上波でのテレビ中継を求める声はありますし、影響力は大きいと感じます。
 
「もちろん、我々も地上波で放送いただくことを望んでいますし、努力を続けていかなければなりません。一方で、プロスポーツである以上、やはりお金を払って観ていただけるファンをいかに増やすかが最大のテーマになります。スタジアムに足を運んで観ていただく、あるいは有料放送を観て楽しむことを文化として定着させる努力も、継続していきたいと思っています」

2014、2015年J1在籍15クラブの17節終了時のホームゲーム入場者数比較(本誌調べ)
クラブ名 2014 2015 1試合平均の
増減数
開催数 総入場者数 1試合平均 開催数 総入場者数 1試合平均
浦和 7 256,622 36,660 7 289,038 41,291 4,631
FC東京 7 154,949 22,136 8 248,540 31,068 8,932
横浜 6 141,604 23,601 8 197,413 24,677 1,076
川崎 8 132,619 16,577 7 138,260 19,751 3,174
新潟 8 187,292 23,412 7 135,107 19,301 -4,111
神戸 7 103,831 14,833 8 147,569 18,446 3,613
G大阪 6 85,754 14,292 7 111,456 15,922 1,630
鳥栖 6 88,477 14,746 7 107,805 15,401 655
広島 8 120,680 15,085 7 107,601 15,372 287
清水 7 99,810 14,259 6 89,113 14,852 593
仙台 8 109,939 13,742 8 117,486 14,686 944
名古屋 7 113,220 16,174 6 87,644 14,607 -1,567
鹿島 5 69,137 13,827 6 73,805 12,301 -1,526
甲府 7 100,115 14,302 6 70,659 11,777 -2,525
7 81,326 11,618 7 79,465 11,352 -266
15クラブ合計 104 1,845,375 17,744 105 2,000,961 19,057 1,313
※Jリーグ公式記録を参照
※2014年の降格3クラブ、2015年の昇格3クラブと対戦した試合は除いて計算。
※2014年4節の浦和×清水は無観客試合のため除いて計算。
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