イスラエル企業が開発した「Coach160」の実力とは

1試合分の全選手のデータ集計は約8時間。ナイトゲーム後に条件を設定しておけば翌朝にはデータがまとまっていることになる。

最先端のトラッキングシステム「Coach160」なら、より的確な分析で様々な角度からデータを取得できるという。
2021年末の時点で、「FIFA BASIC」「FIFA QUOLITY」と呼ばれる、FIFA(国際サッカー連盟)が認証したトラッキングシステムは世界で38ある。そのうち、Wearable System(装着式=GPS)によるものが34あるが、残りの4つがOptical System(光学式=AI)によるものだ。
その4つのOptical Systemのなかで、イスラエル企業のTRACK160が開発した「Coach160」というトラッキングシステムが、株式会社共同通信デジタルの手により日本に上陸した。このCoach160、AIによるシステムというのが斬新だが、イスラエルの軍事技術を応用して開発されているというのも興味深い。
2016年ローンチという、FIFA認証のトラッキングシステムの中でも新進気鋭の部類に入るCoach160だが、これまでのGPSタイプと何が違うのか。はっきりしたポイントは3つある。
第1に費用を格段に抑えられること。GPSタイプの場合、専用カメラに加え選手数ぶんのGPS装置が必要になる。さらに毎回、取得したデータを集計するのに専門のスタッフも必要になる。これがCoach160だと、専用カメラもあるものの、市販の4Kカメラを3台用いれば代用が可能だ。もちろんGPS装置は必要なく、データ集計もAIがやってくれるため専門スタッフは必要ない。このような設備費、人件費が大幅に削減されるうえ、契約は年間ライセンス契約なので、契約中はいくらでもデータが取り放題。費用対効果という点で革命的という点は、実際に現場で使用する者からすると最大の魅力だろう。
第2に、データ集計が非常に簡単で利便性も高いということ。4Kカメラ3台でフィールド全体を網羅して、全選手の動きを映像で収める。あとは設定した条件に応じてAIが自動的に集計してくれる。1試合ぶんの全選手の集計時間はおおよそ8時間。試合が終わった後の夜に取得したいデータの条件を設定しておけば、翌日朝にはデータがまとまっていることになる。このデータ取得、たとえばスプリントひとつ計測するにも、距離やスピードまで自在に自分で設定できるのが嬉しい。さらにCoach160ならソフトをダウンロードさえすればスタッフのPC間で取得データを共有することも可能だ。
第3に、GPSタイプはそのデータ取得を装置に頼っている反面、映像からデータを取得するCoach160は映像とのリンクも可能だ。例えば試合中にある選手のスプリント数が「30」と出たとする。その全シーンを映像で振り返りたいと思えば、まるで検索するような手軽さで全シーンを一覧で表示させ、各シーンを瞬時に振り返ることができる。いったいどのような状況で、どのようにスプリントしたのか。単なる数字だけでなくシーン別に確認できることで、分析はより的確に、そして細かくできるようになるといえる。さらに対戦相手のデータも取得でき、試合全体の動きを2Dアニメーションで表示することもできてしまう。データを蓄積させれば、2Dアニメーション上に各ポジションの最適化表示まで発展させられる優れ物だ。
その4つのOptical Systemのなかで、イスラエル企業のTRACK160が開発した「Coach160」というトラッキングシステムが、株式会社共同通信デジタルの手により日本に上陸した。このCoach160、AIによるシステムというのが斬新だが、イスラエルの軍事技術を応用して開発されているというのも興味深い。
2016年ローンチという、FIFA認証のトラッキングシステムの中でも新進気鋭の部類に入るCoach160だが、これまでのGPSタイプと何が違うのか。はっきりしたポイントは3つある。
第1に費用を格段に抑えられること。GPSタイプの場合、専用カメラに加え選手数ぶんのGPS装置が必要になる。さらに毎回、取得したデータを集計するのに専門のスタッフも必要になる。これがCoach160だと、専用カメラもあるものの、市販の4Kカメラを3台用いれば代用が可能だ。もちろんGPS装置は必要なく、データ集計もAIがやってくれるため専門スタッフは必要ない。このような設備費、人件費が大幅に削減されるうえ、契約は年間ライセンス契約なので、契約中はいくらでもデータが取り放題。費用対効果という点で革命的という点は、実際に現場で使用する者からすると最大の魅力だろう。
第2に、データ集計が非常に簡単で利便性も高いということ。4Kカメラ3台でフィールド全体を網羅して、全選手の動きを映像で収める。あとは設定した条件に応じてAIが自動的に集計してくれる。1試合ぶんの全選手の集計時間はおおよそ8時間。試合が終わった後の夜に取得したいデータの条件を設定しておけば、翌日朝にはデータがまとまっていることになる。このデータ取得、たとえばスプリントひとつ計測するにも、距離やスピードまで自在に自分で設定できるのが嬉しい。さらにCoach160ならソフトをダウンロードさえすればスタッフのPC間で取得データを共有することも可能だ。
第3に、GPSタイプはそのデータ取得を装置に頼っている反面、映像からデータを取得するCoach160は映像とのリンクも可能だ。例えば試合中にある選手のスプリント数が「30」と出たとする。その全シーンを映像で振り返りたいと思えば、まるで検索するような手軽さで全シーンを一覧で表示させ、各シーンを瞬時に振り返ることができる。いったいどのような状況で、どのようにスプリントしたのか。単なる数字だけでなくシーン別に確認できることで、分析はより的確に、そして細かくできるようになるといえる。さらに対戦相手のデータも取得でき、試合全体の動きを2Dアニメーションで表示することもできてしまう。データを蓄積させれば、2Dアニメーション上に各ポジションの最適化表示まで発展させられる優れ物だ。