今シーズンのAZはここまで公式戦を27試合戦っており、その全てに菅原は出場している（先発は20試合）。ゴールは０、アシストは４だが、攻守の貢献度の高さは数字以上のもの。今ごろ二桁のアシストを記録していても不思議でないぐらい、決定機を作っていた。

「AZに移籍して３年目になって、やっと安定して全試合に出られるようになりました。１試合１試合成長し、自分なりに良くなっているので、すごく充実した日々を過ごせています。もちろん、課題もあります。でも、その成果が出ているので、すごく楽しみながら学べています」

　以前、菅原は「守備に課題がある」と言っていた。「課題」とはそのことを指すのだろうか？

「やっぱり対人。一対一を強くしたかった。相手に抜かれる回数はそれほど多くなかったし、止めることもできていた。アヤックスと試合をして、（ドゥシャン）タディッチ選手とやりあったりするなど、必ず成長を実感できる場があるというのが、ありがたい。エールディビジのトップクラスの選手と対峙して、何もさせずに試合を終わるというのは大切なことです。かなり守備面での成長を実感しています」

　足の速い選手、大柄な選手、技術の高い選手――。そんな多士済々のオランダのサイドアタッカーを止める秘訣はあるのだろうか。
 

「彼らを止めるコツはないです。どれだけ相手の選手を研究するかだと思いますね。チーム戦術とは別に、個人戦術として相手の分析を試合前にやっています。タイプの似た選手はいますが、同じ選手はいないので、毎試合止め方や対峙の仕方は変わってきます。１パーセントでも相手を止める確率を上げるために相手の情報を収集しています」

　チェックするのは過去３試合分。12月は中２日の試合もあったが、それでも相手の分析をしてから試合に臨んでいた。

「大変ですけど、やるべきことなんで。別にストレッチしながらもできるし、（温冷）交代浴しながらもできるんで、空いた時間を見つけながらという感じですよね」

　子どもが生まれて、今は可愛い盛りのはず。一緒にいたい気持ちを抑えながら映像をチェックしているのでは？

「そうですね。でも、それは別というか。サッカーはサッカーだし、家庭は家庭だし。サッカー選手はオフィスで８時間仕事するわけではなく、24時間サッカーのことを考えて行動しなきゃいけない職業だと思うので」

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