攻撃面では、チームの２得点に絡んだ。まずは両チーム無得点で迎えた50分、左ハーフスペースに飛び出し、中を狙いすましてクロスを蹴った。それが味方の背中に当たってこぼれたところを、CFのヴァンゲリス・パブリディスが蹴り込んだ。

「アヤックスのウイークポイントはディフェンスライン４枚があんまり規則正しくディフェンスをしない。個の能力があるからこそ、個への信頼が強すぎてあんまり組織的な守備をしない傾向がある。そこにスペースができるので、オフサイドギリギリのところで駆け引きしながら（味方のスルーパスを引き出した）。あれは俺のアシストになるんですかね？」

　残念ながら、味方の背中に当たっているから記録上は……。

「いや、俺のアシストです！アシストできてよかったです（笑）」

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　１−１の均衡を破る決勝ゴールは83分、右サイドを駆け上がった菅原のクロスが、FWイェスパー・カールソンに流れてからAZが仕留めにかかったもの。左SBオーウェン・ヴァインダルの折り返しを途中出場のFWザカリア・アブカルが蹴り込んだ。後半のAZが放ったシュートはわずか３本。そのうち２本が決まる効率の良さだった。

「こっちの選手は調子が良くても悪くても、とてもシュート練習をするんです。そういうのが、こういうビッグゲームでついてくるんだなあとすごく思いますね。自分ももっとクロスの精度を上げるため、練習あるのみです」

　守備面では、アヤックスの左SBブリントを徹底的にマークして、敵にサイドからの起点を作らせなかった。そして、高いポジションをとって、プリントの動きを牽制しながら先手をとった。

「僕のほうが足が速かったので、何本かワンツーで裏に走ることができた。かなり嫌がってました。そういうところですよね。小さい弱点。大きな弱点というよりも、『地味に、ここが弱点だよな』というところを徐々に突いていくと、そこが結構大きな穴になっていくんですよ。それを気にすることによってチーム全体がストレスを感じる。そして攻撃もリズムができなくなる。今日は、アヤックスの小さな穴を突き続けた僕らがよくやったと思います」

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