アナリストが推薦したい選手がいたとしても…
一方で、5バックをどう崩すかの部分がまだまだだったように感じました。
54分、58分と田中選手を起点に進入しようとしましたが、相手の5人が揃っている状況でクロスを上げました。日本は、相手の守備が揃ったなかで空中戦からゴールをねじ込むチームではありません。中国戦のように、整わないうちに速いボールを入れたりしないといけない。そのためには、いかに5バックを引き出して空いたスペースを使うのか。この部分の狙いや修正がベトナムとの試合中にはあまり見えなかったですね。
攻撃の課題はセットプレーにもありました。アナリストとしては、事前に相手のどこが弱いか、誰が弱いかなど分析して伝えます。ただ、キッカーとターゲットの選手だけでなく、味方同士はやはり練習しないと合わない。最近の代表戦では、準備期間が短くて落とし込みができていない印象を受けます。ほぼ毎日一緒にいるクラブチームですら合わないことがありますからね。映像やミーティングで詰めていける部分はありますが、話し合うことだけでは解決しません。この課題はやはり体感する時間を設けないといけないかなと感じます。
そこに加えて、毎試合のようにスタメンが変わり、新しい選手を起用すればさらに難しくなりますね。
もちろん監督やスタッフにも普段のリーグ戦で結果を出している選手たちを使いたい気持ちもあると思いますが、外から見ている我々以上に、国を背負うというプレッシャーは相当あるでしょうし、変えれば良いのかというとそれだけでもない。
一緒にやり続けるメリットはありますし、それがデメリットにもなる。選手を代えることへの意見は多数聞かれますが、同時にこういう期間が短い状況で選手を入れ替えると、セットプレーも含めて組み立て直しをしなければならないデメリットもある。最終的にその加減は監督の判断になります。
推薦したい選手がいたとしても、アナリストとしては攻守、セットプレーなどトータルで考えて、絶対に良いということがないと提案できないと思います。
例えば、森保ジャパンでも実績のある大迫勇也選手のところに古橋亨梧選手を入れたら、攻撃では、スピードもあって裏も取れて古橋選手のほうが良いかもしれません。一方で守備のことや高さのことも考えないといけない。選手を変えることで、相手の攻撃に対して自分たちの守備はどう変わるのか。
守備の面では古橋選手を最前線に置くと、後ろの選手たちがどのタイミングでプレッシャーをかけるか、どう連動していくか、守備のスイッチを入れるのは誰がリードするのかという問題が生じます。個人で守備をするわけではないですし、最前線の選手だけが追ってしまうと間が空きます。そうした大迫選手と古橋選手の追い方は違いがあるので、チームとして合わせる必要が出てきます。
54分、58分と田中選手を起点に進入しようとしましたが、相手の5人が揃っている状況でクロスを上げました。日本は、相手の守備が揃ったなかで空中戦からゴールをねじ込むチームではありません。中国戦のように、整わないうちに速いボールを入れたりしないといけない。そのためには、いかに5バックを引き出して空いたスペースを使うのか。この部分の狙いや修正がベトナムとの試合中にはあまり見えなかったですね。
攻撃の課題はセットプレーにもありました。アナリストとしては、事前に相手のどこが弱いか、誰が弱いかなど分析して伝えます。ただ、キッカーとターゲットの選手だけでなく、味方同士はやはり練習しないと合わない。最近の代表戦では、準備期間が短くて落とし込みができていない印象を受けます。ほぼ毎日一緒にいるクラブチームですら合わないことがありますからね。映像やミーティングで詰めていける部分はありますが、話し合うことだけでは解決しません。この課題はやはり体感する時間を設けないといけないかなと感じます。
そこに加えて、毎試合のようにスタメンが変わり、新しい選手を起用すればさらに難しくなりますね。
もちろん監督やスタッフにも普段のリーグ戦で結果を出している選手たちを使いたい気持ちもあると思いますが、外から見ている我々以上に、国を背負うというプレッシャーは相当あるでしょうし、変えれば良いのかというとそれだけでもない。
一緒にやり続けるメリットはありますし、それがデメリットにもなる。選手を代えることへの意見は多数聞かれますが、同時にこういう期間が短い状況で選手を入れ替えると、セットプレーも含めて組み立て直しをしなければならないデメリットもある。最終的にその加減は監督の判断になります。
推薦したい選手がいたとしても、アナリストとしては攻守、セットプレーなどトータルで考えて、絶対に良いということがないと提案できないと思います。
例えば、森保ジャパンでも実績のある大迫勇也選手のところに古橋亨梧選手を入れたら、攻撃では、スピードもあって裏も取れて古橋選手のほうが良いかもしれません。一方で守備のことや高さのことも考えないといけない。選手を変えることで、相手の攻撃に対して自分たちの守備はどう変わるのか。
守備の面では古橋選手を最前線に置くと、後ろの選手たちがどのタイミングでプレッシャーをかけるか、どう連動していくか、守備のスイッチを入れるのは誰がリードするのかという問題が生じます。個人で守備をするわけではないですし、最前線の選手だけが追ってしまうと間が空きます。そうした大迫選手と古橋選手の追い方は違いがあるので、チームとして合わせる必要が出てきます。
選手を変えることで、攻守とセットプレーの全局面で再構築しないといけない部分が出てくる。そうなれば、その選手を理解している選手と組み合わせたほうがいいですね。オーストラリア戦ではシステムを変えましたが、サウジアラビア戦から時間があったことも手伝い、過去に川崎フロンターレに所属した田中選手と守田選手を使ってリンクでつなぎとめようという考えが上手くいったのかなと思います。
そういう戦術よりももっと深い部分、つまり戦略や人の部分が重要です。我々のチームはどういうスタンスでサッカーをするのかという部分が整っていれば、システム上、フォーメーション上でどうなっていようが、強いチームになると思います。
川崎フロンターレや横浜F ・マリノスなど近年の優勝チームを見てもそうですよね。フロンターレもずっと4-3-3ではなく、試合の途中で4-4-2に変えますし、同じく1トップのマリノスも点を取りに行く時に2トップに変えることもします。
ただ、その根底にある「どういうサッカーをするのか」という共通理解のもとで、やるべきことが整理できている。
そういう戦略、コンセプト的なものは、外に出さないものなので、これを推察するのは無意味ですが、強いチームはそこがしっかりとしています。今季のフロンターレは、何人かの主力が移籍しても、勝ち続けられる。新たに出番を得た選手たちが、我々のチームは何を目指しているのか、どういうサッカーをするのかという根底を教え込まれているので、すぐにチームにフィットし活躍できる。
日本代表として、その戦略的な部分がどう整っているのか。戦術上の話が多く、戦略としてみんなの認識がどこまで合っているのかが気になりました。そこが整っていないと例えシステムや人を変えたところで、上手くいかないでしょう。
そういう戦術よりももっと深い部分、つまり戦略や人の部分が重要です。我々のチームはどういうスタンスでサッカーをするのかという部分が整っていれば、システム上、フォーメーション上でどうなっていようが、強いチームになると思います。
川崎フロンターレや横浜F ・マリノスなど近年の優勝チームを見てもそうですよね。フロンターレもずっと4-3-3ではなく、試合の途中で4-4-2に変えますし、同じく1トップのマリノスも点を取りに行く時に2トップに変えることもします。
ただ、その根底にある「どういうサッカーをするのか」という共通理解のもとで、やるべきことが整理できている。
そういう戦略、コンセプト的なものは、外に出さないものなので、これを推察するのは無意味ですが、強いチームはそこがしっかりとしています。今季のフロンターレは、何人かの主力が移籍しても、勝ち続けられる。新たに出番を得た選手たちが、我々のチームは何を目指しているのか、どういうサッカーをするのかという根底を教え込まれているので、すぐにチームにフィットし活躍できる。
日本代表として、その戦略的な部分がどう整っているのか。戦術上の話が多く、戦略としてみんなの認識がどこまで合っているのかが気になりました。そこが整っていないと例えシステムや人を変えたところで、上手くいかないでしょう。