【女子W杯】意表を突くセットプレーに象徴された“追われる立場”の難しさ

カテゴリ:日本代表

西森彰

2015年07月06日

大儀見の追撃ゴールを勝負どころに、攻撃的な選手を投入。

後半立ち上がりの52分に澤を狙った宮間のFKが相手のオウンゴールを誘い、2点差に詰め寄る。(C) Getty Images

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 日本は失点を重ねるごとに底なし沼へ引き込まれた。14分、それを象徴するかのように、ほとんどミスのない岩清水がクリアミスでホリデーに3点目を献上。その2分後には、GK海堀あゆみの頭越しに、センターサークルからロイドに放り込まれる。
 
 ここまでセットプレーから2失点、自滅的なミスから1失点、そして超ロングシュート。崩されての失点はひとつもないのに大差が開いていく、日本にとっては悪夢のような、アメリカにとっては夢のような展開になった。
 
 4失点後、宇津木瑠美を左SB、鮫島彩を左サイドハーフ、宮間あやをボランチにコンバートした日本が、中盤を省略したアメリカに反撃を開始。27分、川澄の鋭いクロスに対して、背負っていたDFを駆け引きで振り切った大儀見優季が、身体をターンさせながら、左足のシュートで1点を返す。
 
「何点取られようが、自分のやることは同じ。常に準備をしていたからこそ取れた1点だと思います。それも自分だけではなく、チームとして取れた1点だったと思います」(大儀見)
 
 佐々木監督は、ここを勝負所と見て、ダメージの残る岩清水梓に代えて、33分、澤穂希をスクランブル投入する。さらに40分、川澄に代えて菅澤優衣香を投入。チャンスメーカーを宮間ひとりに任せて、ゴールを奪える選手を前線に並べた。
 
 すると後半に入った52分、澤めがけて蹴った宮間のFKが、アメリカDFジョンストンのオウンゴールを誘う。日本は、序盤に絶望的な4点差のビハインドを負いながらも、粘り強い戦いで同点・逆転への望みをつなぐ点差にまで詰め寄った。
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