【女子W杯】なでしこ攻守のキーマン、宮間と岩清水が語る「連覇」への4つのポイント

カテゴリ:日本代表

西森彰

2015年07月05日

サイドへの揺さぶり、SBの攻撃参加でリズムを掴みたい。

最終ラインを統率する岩清水。守備はもちろん、攻撃でもビルドアップの面でカギを握る選手だ。(C) Getty Images

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ポイント3)理想は、攻守に盤石の内容だったオーストラリア戦の再現。
 
 では、先制点を奪うために必要なものはなにか。
 
「イングランド戦では、網を張っている相手のところに飛び込んでいかなかったのは良かったと思います。ただ、自分としてはそれ以上に課題が見つかった試合でした。もう少しボールを持った味方の選手への選択肢を増やしていかなければいけません」(宮間)
 
 となると理想は、ここまでの6試合で最も攻守に盤石の内容を誇った準々決勝のオーストラリア戦の再現だろう。全員がサボらず、ボールを受けるべき場所に顔を出し、奪われても素早い切り替えでこれに食らいついた。
 
 自分たちのペースで試合を作り、対戦相手の強力アタッカーは守備の疲労で消え、最後はオーストラリアをサンドバックのように葬った。岩渕真奈のゴールが生まれたのは残り5分を切ってからだったが、それまでにも数多くの決定機を作り出せていた。得点は時間の問題だった。
 
 アメリカは今大会唯一の失点が、オーストラリア戦のもの。自陣右サイドから中につながれ、最後は自陣左サイドの選手をフリーにしてしまった。失点シーン以外でも、このケースでピンチを招くことがあった。日本としてはまず、宮間と鮫島彩で左サイドを攻略し、大儀見優季、大野忍の両CFが粘り、逆サイドの川澄奈穂美、有吉佐織を空けるイメージがあるはずだ。
 
「後ろでのビルドアップは日本のストロングポイント」と語る岩清水、そして熊谷紗希の両CBが、勇気を持って開いたポジションをとり、SBを攻撃参加させたい。
 
ポイント4)コンディションを整えて頂上決戦に臨め!
 
 オーストラリア戦のサッカーをやり切るためには、出場選手全員が心身のコンディションをベストの状態に持ってくる必要がある。決勝戦が6試合目。疲れはあるだろうが、それはアメリカも同じだ。ドイツ、イングランドを加えた4強を比較しても、ノックアウトラウンド以降、最もコンディションが良く見えるのは日本だ。
 
「身体は重くない。むしろ正直に言えば軽いくらい」と宮間。
 
 グループリーグでは練習からやり過ぎなほどハードなメニューを用意し、その後は試合に向けてコンディションを整える“佐々木流”も効果を発揮している。ましてや世界の頂に再び立てるかどうかの瀬戸際。90分+αを走り切ってくれるだろう。
 
 女子ワールドカップ連覇とロンドン五輪のリベンジに向けて、なでしこジャパンの前に広がる視界は澄み切っている。
 
文:西森 彰(フリーライター)
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