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クラシコの勝負を分けたポイント――アラバのカウンター弾はなぜ生まれたのか。結果に表われたマドリーの「明確な狙い」

カテゴリ:メガクラブ

河治良幸

2021年10月25日

ピケとE・ガルシアのどちらかがアラバをチェックできていれば…

初のクラシコに挑んだデパイ(右)。アラバにボールを奪われたのは痛恨だった。(C)Getty Images

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 ボールを奪い、相手のファーストプレスを外し、味方にパスを出して前線まで駆け上がる。そこからラストパスを受けて鮮やかなシュートを決めると言う一連のプレーは“アラバショー”とも言えるものだった。ただ、決してアラバの個人能力だけがゴールをもたらしたのではなく、やはりバルセロナの攻撃ルートを限定しながらボールを奪い、そこからイメージを揃えてフィニッシュまで行き着く明確な狙いが結果となったのだろう。

 バルセロナ側の視点で考えると、やはり全体が前にかかったところでボールを奪われると、高い位置で攻めていても後ろの守備が薄くなる分、広いスペースを使ってスピーディーに攻め込まれやすくなる。そうさせないために即時奪回という方法があるわけだが、この日のマドリーの選手たちはそれをほとんど回避し、素早く縦に付けることができていた。

 しかも、このゴールシーンではアラバがそのまま上がったことで、ウイングのヴィニシウスとロドリゴがワイドのポジションを取ったままでも中央に厚みを出すことができた。

 バルセロナとしてはいかにベンゼマが脅威であっても、ピケとE・ガルシアが揃って引き付けられることなく、一人がアラバをチェックできていれば、あれだけ危険な位置で前を向いてパスを受けられるリスクはかなり減らせたはず。ただ、アラバの状況判断と決め切る能力を褒めるべきだろう。
 

 そこから落ち着いてゲームをコントロールしたマドリーは、終盤にカウンターから最後はルーカス・バスケスが決めて追加点。バルセロナは長身FWのルーク・デヨングを投入するなど、リスクを負って前線にパワーをかけた後半アディショナルタイム7分に新加入のセルヒオ・アグエロが待望のゴールを決めて1点差とするのが精一杯だった。

 バルセロナもシーズン開幕の頃よりはパスワークなど改善されてきているが、現時点ではカルロ・アンチェロッティ監督が率いるマドリーが一枚も二枚も上手だった。

 ここから長いシーズンが進む中で、バルセロナがアグエロのフィットも含めて、いかにチーム状態を良くして次の直接対決までに良い流れを作って行けるか。マドリーもさらにチーム力を高めて迎え撃てるか。今後の両クラブの戦いに注目だ。

文●河治良幸
 
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