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【岩本輝雄】ヴォルティス鈴木徳真のサッカーセンスと、コンサドーレの充実ぶりに感服した横浜での“ひとりダブルヘッダー”

カテゴリ:連載・コラム

岩本輝雄

2021年10月19日

クレバーでキラリと光るサッカーセンスの持ち主

絶妙なポジショニングでヴォルティスのポゼッションを支えた鈴木。今後のさらなる飛躍が楽しみな選手だ。写真:徳原隆元

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 代表ウィークが終わって、久々のJリーグ。先週の土曜日は、まずは三ツ沢で横浜FC対ヴォルティスを見て、すぐに日産スタジアムに移動してマリノス対コンサドーレを観戦。DAZNの放送の関係もあるのだろうけど、同じ市内での時間差開催は、サッカー好きからすれば、“はしご”できるからありがたいね(笑)。

 チケットを買って、スタジアムに行って、サッカーを見る。まだいろいろと制限があるなかでも、少しずつ“日常”が戻ってきたことの幸せ、喜びをかみしめながら、Jリーグを堪能してきたよ。

 横浜FC対ヴォルティスのスコアは5-3。両チーム合わせて計8つのゴールが生まれる打ち合いを制したのは、横浜FCだった。

 これだけ多くのゴールが生まれて、しかもホームチームが勝利。スタジアムに駆けつけたサポーターの人たちも喜んだはず。横浜FCがリードして、ヴォルティスが追いついて、横浜FCが突き放す。そんなスリリングな展開のなかで、強く印象に残った選手がいる。ヴォルティスの23番、ボランチの鈴木徳真だ。

 とにかくポジショニングが抜群に良い。4-4-2のヴォルティスはビルドアップのとき、両SBが開き気味になるけど、そこまで高い位置は取らない。鈴木は主に左サイド寄りで、SBのジエゴと、サイドハーフの西谷のちょうど中間地点にポジションを取って、起点になる。相手のFWの背後に“もぐる”ように、でも相手の中盤に捕まらない絶妙な位置取り。そこでひとつポイントを作って、ボールの流れをスムーズにする。

 自陣でボールを出し入れしながら、チーム全体が前に進めば、今度は敵陣では相手の3バックとダブルボランチの間にすっと入り込む。そのポジショニングも、相手DFが前に出てこられず、それでいて相手のボランチの死角になるような場所。非常に賢い選手で、キラリと光るサッカーセンスの持ち主だと思った。ボールタッチも正確だし、横浜FCの選手からすれば、相当にやっかいだったはずだ。
 
 後半からサイドハーフで投入された宮代も、外で張らず、中に絞ってきて、フリーになれる場所に立つ。鈴木と宮代、この2人の存在が、ビハインドを背負っていたヴォルティスを活気づけ、1-3から同点に追いつく反撃を力強く支えていた。

 でも、その後に4点目、5点目を取られてしまうあたり、ヴォルティスの現状の課題が見てとれた。たしかに、勝負を決定づける横浜FCの4点目となった高木の強烈ミドルは相手をほめるしかない代物だったけど、守備面の修正は急務ではないだろうか。

 スペイン人指揮官のもと、組織的でモダンなサッカーができているだけに、それを結果につなげるための作業が必要になってくると思う。

【サポーター PHOTO】豪快な打ち合いを堪能した横浜FC・徳島サポーター
 
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