美しい2点目のゴールにはベネズエラ人も拍手を送ったほど。

決勝の2点目を決めたフィルミノ。コロンビア戦では決定的なチャンスを外したが、今回はイージーボールを難なく合わせた。 (C) Getty Images

CKをT・シウバがダイレクトボレーでネットに突き刺し、ブラジルが先制した。 (C) Getty Images
【コパ・アメリカ2015】
グループC
○ブラジル 2-1 ●ベネズエラ
[得点者]ブ=T・シウバ(9分)、フィルミノ(51分) ベ=ミクー(84分)
ネイマールを出場停止で失ったブラジルがベネズエラを2-1で退け、グループCの首位通過を果たした。
これでコパ・アメリカは全18試合のグループステージを消化。決勝トーナメントの組み合わせが次のように確定した。
1)チリ(A組1位)対ウルグアイ(B組3位)
2)ボリビア(A組2位)対ペルー(C組2位)
3)アルゼンチン(B組1位)×コロンビア(C組3位)
4)ブラジル(C組1位)×パラグアイ(B組2位)
※準決勝は1の勝者と2の勝者、3の勝者と4の勝者が対戦
ペルーとの初戦は終了間際のゴールで薄氷の勝利。続くコロンビア戦は0-1で完封負けし、ネイマールまで退場。今のブラジルなら、“ベースボールの国”ベネズエラにも勝てる保証はない――。
試合前は、そんな悲観的な声すら聞かれた。だがブラジルは、9分にチアゴ・シウバ、51分にフィルミノがゴールを決めて、ベネズエラを破った。
ドゥンガ監督は終盤、ダビド・ルイスとマルキーニョスを投入し、間違いが起こらないよう城壁を固めたが、84分にFKから失点。楽勝ムードに陰りが差したが、それでも2点目を許すことはなかった。
かつてのブラジルなら、ベネズエラ相手に1点差の勝利など、喜ぶには値しなかっただろう。だが、ワールドカップで威信を失い、ネイマールを欠いたブラジルにとって、これは嬉しい勝利だ。勝ったというだけでなく、久々にブラジルらしい楽しい“フチボウ”が見られたからだ。
堂々と攻撃を仕切ったウィリアン、ネイマールの代役として起用されたロビーニョ、さらにはダニエウ・アウベスが右サイドで絡むトリッキーなパス交換は、ベネズエラを翻弄した。
サイドで繋いで敵を寄せておいて、大胆に逆サイドに飛ばす。フィルミーノの2点目は、そんな美しい形から生まれた。このゴールにはベネズエラ人も拍手を送り、ブラジル人も今大会で初めて楽しくゲームを観戦することができたようだ。
見応えがあったのは、ブラジルらしいパス交換だけではない。1点は許したが、守備も充実していた。
ボールを失っても、前線からの素早い守りでベネズエラの逆襲の芽をことごとく摘み取った。敗れたコロンビア戦も含めて、ボランチのフェルナンジーニョは狙ったボールを確実に仕留める、素晴らしい働きを見せている。
決勝トーナメントは、今のブラジルには強敵揃いだ。勝負強いパラグアイに勝ったとしても、次は宿敵アルゼンチンか、因縁のコロンビアだ。この茨の道を突き進むためには、“中盤の番人”フェルナンジーニョの獅子奮迅の働きが欠かせない。
現地取材・文:熊崎 敬
グループC
○ブラジル 2-1 ●ベネズエラ
[得点者]ブ=T・シウバ(9分)、フィルミノ(51分) ベ=ミクー(84分)
ネイマールを出場停止で失ったブラジルがベネズエラを2-1で退け、グループCの首位通過を果たした。
これでコパ・アメリカは全18試合のグループステージを消化。決勝トーナメントの組み合わせが次のように確定した。
1)チリ(A組1位)対ウルグアイ(B組3位)
2)ボリビア(A組2位)対ペルー(C組2位)
3)アルゼンチン(B組1位)×コロンビア(C組3位)
4)ブラジル(C組1位)×パラグアイ(B組2位)
※準決勝は1の勝者と2の勝者、3の勝者と4の勝者が対戦
ペルーとの初戦は終了間際のゴールで薄氷の勝利。続くコロンビア戦は0-1で完封負けし、ネイマールまで退場。今のブラジルなら、“ベースボールの国”ベネズエラにも勝てる保証はない――。
試合前は、そんな悲観的な声すら聞かれた。だがブラジルは、9分にチアゴ・シウバ、51分にフィルミノがゴールを決めて、ベネズエラを破った。
ドゥンガ監督は終盤、ダビド・ルイスとマルキーニョスを投入し、間違いが起こらないよう城壁を固めたが、84分にFKから失点。楽勝ムードに陰りが差したが、それでも2点目を許すことはなかった。
かつてのブラジルなら、ベネズエラ相手に1点差の勝利など、喜ぶには値しなかっただろう。だが、ワールドカップで威信を失い、ネイマールを欠いたブラジルにとって、これは嬉しい勝利だ。勝ったというだけでなく、久々にブラジルらしい楽しい“フチボウ”が見られたからだ。
堂々と攻撃を仕切ったウィリアン、ネイマールの代役として起用されたロビーニョ、さらにはダニエウ・アウベスが右サイドで絡むトリッキーなパス交換は、ベネズエラを翻弄した。
サイドで繋いで敵を寄せておいて、大胆に逆サイドに飛ばす。フィルミーノの2点目は、そんな美しい形から生まれた。このゴールにはベネズエラ人も拍手を送り、ブラジル人も今大会で初めて楽しくゲームを観戦することができたようだ。
見応えがあったのは、ブラジルらしいパス交換だけではない。1点は許したが、守備も充実していた。
ボールを失っても、前線からの素早い守りでベネズエラの逆襲の芽をことごとく摘み取った。敗れたコロンビア戦も含めて、ボランチのフェルナンジーニョは狙ったボールを確実に仕留める、素晴らしい働きを見せている。
決勝トーナメントは、今のブラジルには強敵揃いだ。勝負強いパラグアイに勝ったとしても、次は宿敵アルゼンチンか、因縁のコロンビアだ。この茨の道を突き進むためには、“中盤の番人”フェルナンジーニョの獅子奮迅の働きが欠かせない。
現地取材・文:熊崎 敬